SPECIALIZED(スペシャライズド)が、2022年モデルの「Crux(クラックス)」を発表しています。
新型Cruxはシクロクロスバイクではない
Cruxと言えばシクロクロスバイクだったわけですが、今回発表されたニューモデルは「軽量グラベルバイク」を謳っています。
同社の軽量ロードバイク「Aethos(エートス)」の技術を投入し、軽量で、機敏で反応性に優れ、そしてしなやかなグラベルバイクを実現した——というわけです。
ジオメトリーを見ると、52サイズの比較では、リーチが375mmから382mmへと長くなり、BBドロップは71mmから74mmへと大きくなっています。
タイヤクリアランスは、同社のグラベルバイク「Diverge(ディバージュ)」と同等、700×47Cおよび650B×2.1インチまで対応。一方Divergeとは異なり、フォークやトップチューブにはアクセサリー台座が存在せず、用途が差別化されているのがわかります。
そして、Cruxについて説明されているWebサイトを見ても、シクロクロスという文言はほぼ出てきません。
名前こそCruxを受け継いでいるものの、これはシクロクロスバイクではなく、もちろんシクロクロスバイクとグラベルバイクを兼ねるものでもなく、新しいグラベルバイクと言えるでしょう。
ラインナップは下記のとおりです。
S-WORKS CRUX FRAMESET
価格:583,000円(税込)
カラー:Satin Brushed Liquid Silver/Gloss Black/Smoke Marble/Gold Diamond Dust、 Satin Carbon/Spectraflair/Gloss Abalone
サイズ:49、52、54、56
CRUX PRO
価格:946,000円(税込)
カラー:Gloss Coral Lilac Fade/Carbon/Limestone/Papaya/Grey/Black
サイズ:49、52、54、56
リンク: CRUX PRO VIVCRL/DSTLLC/CARB 49(49 コーラルライラックフェード/カーボン/ライムストーン/パパイヤ/グレー/ブラック): バイク|スペシャライズドオンラインストア
CRUX COMP
価格:495,000円(税込)
カラー:Gloss Arctic Blue/Tarmac Black
サイズ:49、52、54、56
リンク: CRUX COMP ARCTBLU/TARBLK 49(49 グロスアークティクブルー/ターマックブラック): バイク|スペシャライズドオンラインストア
最初にリリースを見たときは、SPECIALIZEDもシクロクロスバイクとグラベルバイクを兼用にしたのかと思ったのですが、よく読んでいくと受け継いでいるのは名前だけで、新しいグラベルバイクを目指していることがわかりました。「SuperSix EVO CX/SE」でシクロクロスバイクとグラベルバイクのフレームを共通化したCannondaleとは違ったやり方です。
ただ、どちらにも共通して「純シクロクロスバイク」が商売として難しくなっている——のかもしれません。
※世界的な需要増と供給不足により、多くのメーカー・代理店で2022年モデルが在庫僅少や納期未定といった状態になっています。詳しくは取扱販売店にお尋ねください。
(SUGAI Gen)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。