ブリヂストンサイクルのスポーツ車ブランド「ANCHOR(アンカー)」において根強い人気があるネオコットクロモリフレーム。2020年モデルでは、ラインナップに変更がありました。

RNC3

ネオコットクロモリの中でも「スタンダード」と呼ばれるグレードのフレームを用いたロードバイクが、この「RNC3」です。ANCHOR 2020年モデル全体として、完成車の製品名に「Equipe」や「Sport」などは付かなくなり、コンポーネント名が記載されるようになりました。

まずは、RNCのSORAモデル。

photo_ブリヂストンサイクル

フレームは、チューブの肉厚を無段階で変化させていくスピニングバテッド加工が施されたチューブをTIG溶接することで、工程を簡略化。手が届きやすい価格帯としているRNC3のフレームに、シマノ・ソラを組み合わせたエントリーモデルです。

ANCHORの特徴であるカラーオーダーやセレクトパーツといったカスタマイズには非対応ではありますが、ネオコットクロモリフレームを手軽に味わえる1台です。

RNC3 SORA MODEL
価格:150,000円(税別)

続いて、TIAGRAモデル。

photo_ブリヂストンサイクル

2019年モデルでは、RNC3の上位モデルはシマノ・105完成車でしたが、2020年モデルではシマノ・ティアグラ完成車となりました。フレームはRNC3シリーズ共通ですが、こちらはカラーオーダーやセレクトパーツに対応します。つまり好みの色を選ぶことができ、そして体格に応じてハンドルバーの幅やステム長も変更可能です。

フレームセットも用意されています。

2019年モデルではシマノ・105完成車で190,000円(税別)、フレームセットで95,000円(税別)でしたから、価格は上がりました。

RNC3 TIAGRA MODEL
価格:190,000円(税別)

RNC3 フレームセット
価格:105,000円(税別)

RNC7

ネオコットクロモリフレームと聞けば、こちらの形状を思い浮かべる方が多数でしょう。ネオコット・プロフェッショナルフレームの「RNC7」です。

photo_ブリヂストンサイクル

フレームは、スピニングバテッド加工に加え、金型にセットしたチューブの内側にオイルで圧力をかける「バルジ成形」が採用されており、より理想的なチューブ形状を実現しています。それだけでなく、RNC7ならではの美しいシルエットにも寄与しているのです。

上の写真は「FADE STYLE」というカラースキームで、2色を用意。もちろん、単色のカラーオーダーも可能です。

RNC7 105 MODEL
価格:270,000円(税別)
上記写真仕様は+104,000円(税別)

RNC7 フレームセット
価格:180,000円(税別)

MTBが、無い……

ANCHOR 2020年モデルのネオコットクロモリモデルは、以上となります。

そう、以上です。MTBが、ありません。

2014年の秋、2015年モデルとして650B(27.5)インチのXNC7が、新規金型で開発されました。そこから5シーズンで、ラインナップから消えてしまったのは残念です。

ただ、数年間かけて開発しているうちにMTBの流行が変化してしまい、650BのXNC7が世に出た時には既に、オーバーサイズコラムのフロントフォークは選択肢がほぼ消滅していた(主流はテーパードコラム)ことを考えると、ゼロスタックでもないXNC7が消えてしまうのは、仕方がないことかもしれません。

ネオコットの未来は

実は、650BのXNCがデビューしたのと同じタイミングで、他の量産メーカー・ブランドからも650BのクロモリMTBがいくつか発表され、中にはコラム径がオーバーサイズのものもありました。しかしその数年後には、それらもテーパードコラムにモデルチェンジしています。

成形に金型を要するネオコットクロモリ・プロフェショナルフレームは、そのような臨機応変な仕様変更ができないという宿命を抱えています。

ネオコットクロモリ・プロフェッショナルフレームでオーバーサイズやテーパードコラムを採用したモダンなロードバイクが登場しない理由も、現状のフレームを大切にしたいという想いも窺えますが、新規に金型を起こすのが難しいという事情があるのです。

今の伝統あるRNC7がすばらしいフレームであることは間違いありませんが、一方で「(TIG溶接でも構わないから)新しいネオコット」を見てみたい——とも思うのです。

関連記事: BRIDGESTONEのスポーツサイクルブランド「ANCHOR」2020年モデル発表 – BRI-CHAN

リンク: アンカー | ブリヂストンサイクル株式会社

(Gen SUGAI)