容認されている……そんなことは百も承知。それでも、シャンゼリゼの周回コースで逃げ集団を牽きまくる別府史之(スキル・シマノ)の映像を見ながら「なんか夢みたいだな」と思いました。まさか、こんなツール・ド・フランスを見ることになるとは、昨年は想像すらつきませんでしたね。
さっそく、海外のメディアにもフミが逃げている写真が出ています。
そして、Cyclingnewsの記事の中程をご覧ください。
リンク: Tour De France: Stage 21, Route Maps & Results | Cyclingnews.com.
「Most combative」のところに「Fumiyuki Beppu (Jpn) Skil-Shimano」とあります。自分からアタックをして逃げ集団を成立させた別府史之が、最終ステージの敢闘賞を獲ました。
レース後のフミのコメントがリリースとして届いているので紹介します。
「遂にシャンゼリゼに辿り着くことができました。長いようで短い3週間でした。小さい頃から憧れていた舞台で、いまある力をすべて出し切ることができ、大変満足しています。そして今回の大会を通じて、日本人の可能性を新城選手とともに見せられたことはもう一つ成果でした。今後、さらに自分自身を高め、また今回のような報告ができるよう精進したいと思います。」
ランスとコンタドールの間に散る火花、憎たらしいほどのカヴの勝ちっぷり、シュレック兄弟の愛(?)、新城幸也のステージ5位など、いろいろな見所のあった今年のツール。最後にフミが素晴らしいものを見せてくれました。そして日本人選手2人が、たいした悲愴感もなく(これ重要)完走したことを喜びたいと思います。
もちろん総合優勝はアルベルト・コンタドール(アスタナ)。「グランツールは、出れば勝つ」という恐ろしい状態。しかも昨年のブエルタと今年のツール、チーム内に大きなライバルがいる状態で制したというのは大きいですね。一昨年のパリ〜ニースをコンタドールが勝ったとき「これは面白そうな選手だ」とは思いましたが、こんなに強いとは……。
しかし、ツールが終わってしまって、月曜から夜はどうやってすごそうか。毎年のことながら、なんか脱力しますね。
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。