ジャイアント 2010年モデルの情報第2弾は、新たにロードバイクのラインアップに追加されたSCRシリーズです。
↑SCR 1(ブラック)
先にスペックを書き連ねましょう。フレーム素材はALUXX Gradeアルミを採用。ジオメトリーは、TCRシリーズに準ずるレース向きのものとなっていて、コンフォート要素の強いDEFYシリーズと差別化。そしてSCR 1はメインコンポにシマノ・105(もちろんリア10速)を採用して税込115,500円、SCR 2はシマノ・2300(リア8速)を採用して税込73,500円という価格が目をひきます。とくにSCR 1の「105完成車で11万円台」というのは、ちょっと驚きですね。
ここではSCR 1について、もう少し細かく紹介します(本当はスペック表を載せればいいのでしょうが、それはそのうちジャイアントのWebサイトに絶対載るので、割愛させてください)。
↑SCR 1(ピンク)
SCRでは、ジャイアントのロードバイクで使われるフレーム素材としてはいちばん下のグレードとなる「ALUXX Grade アルミ」を採用しています。フレームのジオメトリーは、上位モデルのロードレーサーであるTCRやTCR ADVANCEDシリーズ等と同じ。クランクの中心からリアホイールの中心までの距離(リアセンター)がキュッと詰まっていて、レース用バイクらしい設計です。ロングライド/コンフォート性能を意識したDEFYシリーズだと、このリアセンターが僅かですが長めに設計されていています。
そしてSCR 1は、メインコンポーネントにシマノ・105を採用するのが大きなポイント。ただしクランクはビギナーを意識して、FSAのコンパクトドライブ。そしてブレーキはお約束?のテクトロ製です。その一方で、カセットスプロケット(後ろギアの歯)はちゃんとシマノ製が使われていたりします。できれば、せめてブレーキはシマノ・105に交換したいところ。ケーブル類も(おそらく完成車用の安い物が使われるはずなので)最初から動きのスムーズな上位製品に交換しておけばベターでしょう。
レース用途ならビンディングペダルもお忘れなく。
サイズ展開はXS、S、Mの3つ。細かいところでは、このサイズによってクランク長が変えてあります。SCR 1だと、XSには165mm、Sには170mm、Mには172.5mmのクランクが付属します(SCR 2はXSが165mm、他が170mm)。とくにXSに165mmのクランクを付けるのは、安価なロードレーサーとしては良心的と言えます。
完成車重量は、カタログ値ではSCR 1のサイズS 465mmで9.5kgです(SCR 2は同サイズで10kgジャスト)。
↑SCR 2(レッド)
↑SCR 2(ブルー)
というわけで、レースポジションで乗れる入門レーサー、SCRシリーズ。
自転車、中でもロードバイクは「機材を用いるスポーツ」ですから、まともに取り組もうと思ったら一定の投資は避けられません。しかし一方で金銭的な敷居は、入門者(とくに若い人、学生など)のために、引き下げられるにこしたことはありません。そういう意味で、SCRシリーズのような存在はとても大きいと思います。
文中に出てきたDEFYシリーズの2010年モデルに関しては、また改めて。
リンク: Giant Bicycle.
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。