春になって自転車に乗る人が増えています。東日本大震災を機に自転車が見直されているということもあり、路上の自転車は増えるばかりといった感じです。しかし、その分、危ない走り方をする人が増えているように思います。その一例として、車道走行時における路上駐車の追い越しについて考えてみましょう。
「車道の左を走る」という点では、歩道を飛ばす人よりはずっといいのですが、路上駐車を追い越すときの進路変更が危なっかしい人がたくさんいます。
具体的にどう危ないかというと、
・後方確認しない
・合図を出さない
・進路変更が急
・駐車車両のギリギリを通過する
……という方が多いと感じます。
路上駐車を追い越すときは、
・駐車車両に人が乗っているか?降りそうな雰囲気か?
・後方の後続車を確認
・手信号で合図(進路変更の3秒前までに)
・進路を変更
・駐車車両と十分間隔を開けて追い越し
・駐車車両の直前に横断しそうな歩行者はいないか?
・追い越したら元のラインに戻る
ざっと挙げてもこれだけの動作が必要になります。後続車を確認し、ちゃんと合図を出して、余裕を持ったラインで駐車車両を追い越さないと、後続車に追突される等、事故につながりかねません。
「手信号で合図(進路変更の3秒前までに)」というのは道路交通法施行令に書かれています。時速18kmで走っているとき、1秒間で5m進みます。3秒で15mです。そして(鋭角的ではない)余裕のあるラインで駐車車両を追い越すことを考えると、かなり手前から「進路変更」に関する一連の動作が始まることになりますね。
参考までに、中型の路線バスがだいたい全長9m、大型の路線バスは11mくらいです。
(須貝弦)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。