今年の5月に大阪で、タンクローリーが歩道に乗り上げて歩行者2人が亡くなるという痛ましい事故がありました。この事故はそもそもの原因が、国道を無理に横断しようとした自転車をワゴン車が避け、そのワゴン車をタンクローリーが避けようとしたことだとされ、自転車に乗っていた男性が重過失致死罪に問われていました。
事故誘発したのは無謀自転車 大阪のタンク車死亡事故+(1/2ページ) – MSN産経ニュース
大阪市浪速区の国道で5月、急ハンドルを切ったタンクローリーが歩道に突っ込み、男性2人が死亡した事故。痛ましい惨事を引き起こしたきっかけについて、捜査当局は、直前に道路を横切った自転車が原因と断定し、車の運転手は処分保留とする一方、自転車を運転していた男を起訴するという異例の展開をたどった。歩道を歩いていただけの2人の命が奪われた事故の背景には、全国的にも目立つ大阪の自転車マナーの悪さが浮かび、府警は取り締まりを強化している。
もちろん裁判となり、その一審判決が出ました。
死亡事故誘発、自転車男実刑…事故車は不起訴 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
真鍋秀永裁判官は「著しく注意を欠いた危険、身勝手な行為で事故を誘発し、重大な結果を生じさせており、刑事責任は相当重い」として禁錮2年(求刑・禁錮3年6月)の実刑を言い渡した。
判決によると、越智被告は5月12日午前、同市浪速区の国道25号の横断歩道でない場所を十分な安全確認をしないまま横断。その結果、越智被告を避けようとした乗用車に急な車線変更を強い、さらにこの車を避けようとしたタンクローリーを歩道に乗り上げさせ、男性2人を死亡させた。
asahi.com(朝日新聞社):自転車の被告に実刑 国道横断、事故誘発 大阪地裁 – 関西ニュース一般
判決は「現場は交通量が多く、横断したら事故が起きると予想できた」と指摘し、予測不可能だったとした被告側の主張を退けた。さらに、ワゴン車の運転手(不起訴処分)は自転車と、タンクローリーの運転手(同)はワゴン車との衝突をそれぞれ回避するためにハンドルを左に切っており、異常な運転ではなかったと判断した。
判決理由の言い渡し中、「(運転手の)2人はなぜ不起訴なのか」と聞いた越智被告に対し、真鍋裁判官は「2人の過失とは無関係にあなたには責任がある」と述べた。
事故現場です。
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先のMSN産経の記事から推測するに、ストリートビューの画面の左側から右側へと、自転車が横断したようです。中央の通行帯に「右折禁止」と書かれていますが、ちょうど画面に映っている丁字路が右折禁止という意味で、その先の堺筋との交差点で右折する車はこの通行帯で信号待ちをすることになります。その車列の間から急に自転車が飛び出してきたのだとしたら、どんなドライバーでも驚きますね。
(須貝弦)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。