寒さは少々衰えたかな?という感じですし、一昨日も雪が降りましたが、日中はどんどん日が長くなっていますね。ほんとにあと少し暖かくなれば、皆さんが好きなロングライドへ出かけられます。
ロングライドとはいえ、使う機材はレーサー。競技用機材をツーリング用途にするにはいくつかアイデアが必要です。それらをすることで、短時間の競技向け機材を長い間使っても快適に使えるようにすることが出来ます。
その内の一つがタイヤの空気圧を下げること。
「パンパンに入れればOK」
「沢山入れた方が路面との走行抵抗が低い」
これらは間違った情報です。
また、タイヤに表記されている適正空気圧は快適に走れる空気圧ではなく、タイヤが外れたり、破裂したりする心配がない空気圧の表記ですので、あくまで安全上の表記です。
しかし、“適正”な空気圧とはどの程度のでしょう。それは体重とニーズによります……が、それを言っていると1人1人の好みまで考えないといけませんので……。
7.5気圧以上にしている方は0.3気圧落として乗ってみましょう!
(もし、出来るならもうさらに0.3気圧落として試しに乗ってみましょう)
ご自分で分かっていれば、管理できていれば、それを外れた空気圧で走ることは自己責任の範囲では可能ですが、それを薦めるものではありませんので、その点ご了承下さい。私も自己責任においてはタイヤに表記された範囲を下回る空気圧で走ることもあります。
また具体名は挙げられませんが、現役選手や元選手に聞きますと軒並み低い空気圧を提示してきます。レインコンディションではさらに下げて6気圧以下ということもあるそうです……。
空気圧を下げると生まれるメリットは
「滑り出しを緩やかになるので転びにくい」
「ハンドリングが軽すぎないので操作しやすい」
「不快な振動を吸収してくれるので快適」
「タイヤをカットしにくい、刺さりにくい」
「ブレーキングでも滑りにくくなり、滑り出しも緩やかでコントローラブル」
です。
とにかく安定感が上がりますので、“速さ”ではなく“怪我無く安定して疲れず完走”を目的とされる場合にはぜひお試し下さい。最初はタイヤがポヨポヨたわむ感じに違和感を感じるかも知れませんが、じきに慣れると思いますよ。
繰り返しますが、ビギナーの方や自己責任で管理できない方はタイヤに表記された最下限空気圧で走行して下さいね。また、 チューブラーやチューブレスでは適正圧が変わります。
(Bicicletta di Mattino 朝倉誠)
墨田区本所のスポーツサイクル専門店「Bicicletta di Mattino」
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。