ついにアンカーの新型レーシングモデルであるRIS9がデビュー致します。
一部の店舗には既に流通しているようですが、本格的なデリバリーはこれからとなります。
「前作RHM9よりも10%剛性を上げた…云々…」という文句はもう聞き飽きましたよね。最近思うのですが、“剛性”とは味付け次第だと思うのです。僕が乗っているRD750も剛性は十分高いのですが、“硬く感じない”のです。最近はとにかく“剛性アップ”しか言いません、どこもかしこも。しかし、果たして……。
今回のモデルRIS9のコンセプトはまさにそこです。
それをブリヂストンアンカーは“イノベートスティフネス”と表しており、「剛性を求める部分としなやかさを必要とする部分を明確に分けたフレーム設計思想」のことです。
簡単に言えば、自転車は前三角の剛性はあるべきですが、後ろ三角はある程度しなやかに自由に動かないといけません、ガチガチではいけません。そこがメーカーごとの味付けになるわけです。開発陣は「あるメーカーのフレームを研究し、比較し、理想的な剛性バランスを…」と言っていましたが、僕はあえて公表致しません。どこかしらに載せているかもしれませんが、“まずは乗ってみるまで頭は空っぽ”の方がいいと思います。先にブランド名が頭に浮かびますと公正な評価が難しくなるようです。
RHM9やRFX8で採用されていましたドラゴンクローヘッドというトップチューブとダウンチューブでヘッドチューブを巻き込むような造作はなくなっています。下ワンを1.5インチまで拡大し、フォーク剛性から全体的にアップさせましたので“必要なくなった”というわけで、あると逆に硬すぎてしまうということだそうです。
海外メーカーの多くは56前後のサイズでテストを行い、サンプルを製作し、その後生産ラインに乗せていきます。自転車はフレームサイズが小さくなると、剛性も上がってしまいます。ゆえ、設計された剛性以上になることもあるようです…。海外メーカー製フレームで最小サイズフレームだけが“製造上の問題”でキャンセルになったり、再生産待ちになったり…。聞いたことがありませんか?
今、そしてこれからのロードレースシーンでは“あたりまえ”になるであろうDi2システムへの対応も完璧です。海外メーカーでは“Di2専用”となってしまうでしょうが、あれは製作精度など生産上の都合によるものが多いと聞きます。“設計時点で詰めが甘い”という事でしょう。そもそも、“専用”となってしまうとつぶしがきかないですから、純粋なレーサーではない方には困ってしまいますね。
アンカーはさすがブリヂストンというクオリティまで詰められていますので、まずはワイヤ式で組み上げ、その後にDi2へアップグレードという際にも安心して頂けるようになっております。
乗り味の本当のところに関しましては、はっきり申し上げまして私も乗ったことがないのではわかりません(笑)。今月中にバイクフォーラム青山を訪れまして、試乗する予定をアンカーさんにはお伝えしておりますので、その印象につきましては次回以降に書きたいと思います。
4月21日(土)よりバイクフォーラム青山にて試乗して頂くことが出来るようになるそうです。ご予約等必要ございませんので、ぜひぜひその目で、その脚で新型バイクを確かめて見て下さい。RFX8との比較をしていただくと、ご自分の脚ではどちらが快適に走れそうかな?というのも分かってくるかも知れませんね。
「マティーノ 4月の予定です」
4/21(土)〜4/22(日)ツール・ド・草津に参加(お店はお休みします)
4/28(土) パンク修理をできるようになる講座(10時〜12時)
Googleカレンダーにも記載しております。チェックをお願いします。
[各種講座]
マティーノでお買い上げの方は無料ですが、その他の方には講習料を1500円を請求させて頂きます。また、全ての講座はご予約制となっておりますので、必ずお電話かメールでご連絡下さい。その際には必ず“連絡がつく電話番号”を教えて下さい。その後、こちらから”お電話で”ご返答差し上げますので、よろしくお願いします。
(Bicicletta di Mattino 朝倉誠)
墨田区本所のスポーツサイクル専門店「Bicicletta di Mattino」
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。