Bike Lane by mark.hogan, on Flickr
「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を少しずつ読む」シリーズ、第6回目です。ガイドラインは下記からどうぞ。
前回(こちら)は、「計画検討体制の構築と維持活用」について触れました。
今回はいよいよ「II.自転車通行空間の設計」に突入します。
「1.単路部の設計」では、単路部(交差点等ではないところ)の自転車通行空間の設計に関する基本的な考え方が示されています。
「1.1 自転車通行空間の設計の基本的な考え方」では、大まかに言って次のように書かれています。
1.1.1 分離工作物
自転車と自動車、歩行者それぞれを構造的に分離する場合は、互いに存在を認識できるよう、縁石を設置。柵等の高さのあるものは設置しない。それ以外の場合、なるべく分離工作物は設置しない。
1.1.2 幅員
歩行者も自転車も自然に通行できるようバランスに配慮。
1.1.3 路面等
平坦性を確保し、安全に配慮して、すべりにくい路面にする。必要に応じ、側溝の蓋、マンホールの蓋等もすべりにくいものにする。
1.1.4 道路標識・道路標示、看板・路面表示等
通行空間等を道路利用者に明確に示すため、道路標識及び 道路標示を適切に設置する。
注目すべきは、自転車と歩行者、そして自動車の通行空間を構造的に分離する場合、基本的には縁石を設置し「柵等の高さのあるものは設置しない」と書かれていることでしょう。なぜ縁石かというと、そのほうが「互いに存在を認識できる」からです。
自動車から自転車が見えたり、自転車から背後や横の自動車の存在が感じ取れることで、怖いと思う人もいるでしょう。しかし、そう思うからこそ安全運転ができるのです。お互いが「見えない」、つまり意識し合えないと、交差部で突然現れることで、かえって出会い頭的な事故が増えるというわけです。
さて、実際に分離工作物が必要になるのは「自転車道」の場合です。その整備例について「1.2 整備形態別の設計>1.2.1 自転車道」で書かれています。
ここでは、幅員は一方通行でも双方向通行でも2.0m以上確保すること、そして分離工作物のこと、路面や案内表示のことなどがまとめられています。
縁石は、基本的には高さ15cm以上、乗り入れ部は自転車道と歩道の間に5cm、自転車道と車道の間に5cm以下、とされています。
そして、分離工作物についてはダメ押しで、
柵等の分離工作物は、自転車道の幅員を狭く感じさせ、自転車に圧迫感を与えることや、すれ違いや追い越し時等に接触の危険性があることから、自転車通行の安全性に配慮し、できる限り設置しないものとする。
……と、書かれています。
京葉道路(R14)亀戸付近の自転車道は、このガイドラインに沿って考えますと、もはや「既存不適格」と言っても差し支えないでしょう。
大きな地図で見る
(Gen SUGAI)
ピンバック: 「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を少しずつ読む」(7)自転車専用通行帯の整備形態 | CyclingEX