TREK(トレック)がエアロロードバイクのMadone(マドン)シリーズをモデルチェンジし、「Madone SLR」および「Madone SL」として発表しています。
●一見変わらぬルックスながら大きく進化したMadone SLR
新型のMadone SLR、そのスタイリングは従来のMadone 9シリーズと大きく変わらないようにも見受けられますが、実際には大きなモデルチェンジとなっています。
Madone 9のエアロ性能は踏襲しつつ、ディスクブレーキに対応し、さらに振動吸収性も高めています。
・調整式トップチューブIsoSpeed
TREKのショック吸収システムといえば「IsoSpeed」ですが、新型Madone SLRには「トップチューブIsoSpeed」というものが搭載されました。
シートチューブに仕組まれた従来モデルのIsoSpeedは、フレームサイズごとにシートチューブの長さが異なることが原因で「サイズの違いで振動吸収の量も変わってしまう」という宿命がありましたが、機構をトップチューブに収めてどのフレームサイズでもパーツサイズが大きく変わらないようにすることで、小さなフレームサイズでも高い振動吸収性能を実現しています。振動吸収性を調整することも可能です。
・ディスクブレーキとリムブレーキを用意
最近ではディスクブレーキ専用設計のエアロロードバイクが増えていますが、新型Madone SLRでは、ディスクブレーキモデルを追加しつつ、リムブレーキモデルも用意され、軽さを求めるライダーに選択肢を提供しています。
・新しいジオメトリーとOCLV700フレーム
TREKのロードバイクにはレーシーな「H1」とエンデュランス向けの「H2」という2種類のフィットがあります。
しかしMadone SLRでは、その中間的な「H1.5」と名付けられたジオメトリーを新たに開発し採用。また、フレームのグレードはOCLV700シリーズに統一されています(従来のMadone 9は、OCLV700フレームはH1フィット、OCLV600フレームはH2フィットとなっていました)。
・高度なインテグレーション
Madone SLRでは、バイク全体のインテグレーションがさらに重視されています。パーツの寄せ集めではなく、1台のエアロロードバイクとしてスマートに統合されます。
エアロロードバイクにアクセサリー類をどう搭載するか悩んだ経験のある方もいるかと思いますが、Madone SLRではTREKやBontrager(ボントレガー)の純正アクセサリーをスマートに搭載できるようになっています。
ところで、Madone 9シリーズの大きな特徴のひとつが、ヘッドチューブに内蔵されたブレーキワイヤーが、ハンドルを切ったときに干渉するのを防ぐ「ベクターウィング」なるものが設けられていました(俗称「パカパカ」)。ヘッドチューブは空力を高めるために薄くデザインされているので、バイクを取り回したクランク状に配された柵を抜けたり——といったようなことを考え、ワイヤーが逃げるためのドアを作ったわけです。これはMadone 9の個性でもありました。
新型Madone SLRのディスクブレーキ仕様では、当然そのようなドアは必要ありません。
それだけでなく、リムブレーキ仕様もフロントブレーキがフォークの後ろに移り、やはりベクターウィングはなくなりました。これにより、とてもスッキリした外観を手に入れています。
ちなみにリムブレーキモデルでハンドルを大きく切ると、こんなふうになっています。
・2ピースのエアロバー&ステム
従来のMadone 9シリーズではステムとハンドルが一体になったコクピットを採用していましたが、Madone SLRでは2ピース構造とし、多くのステム長とアングル、ハンドルバーサイズを選ぶことができるようになっています。
汎用ステム&ハンドルバーへのコンバーターの発売も予定されているとのこと。
・Madone SLは従来モデルをベースにお求めやすい価格を実現
Madone SLは、従来モデルのMadone 9.0をベースに、500シリーズOCLVカーボンフレームとすることでリーズナブルになっています。
●グレードと価格
2018年7月6日現在、下記モデルが正式発表されています。
・Madone SLR 8
仕様:Aeolus Pro 5 TLR フルカーボンホイール、Dura Ace 9100、リムブレーキ
価格:764,000円(税別)
・Madone SLR 6 Disc
仕様:Aeolus Comp 5 TLR アルミホイール、Ultegra 8020、ディスクブレーキ
価格:630,000円(税別)
・Madone SL 6
仕様:Aeolus Comp 5 TLR アルミホイール、通常のアルミステム&アルミハンドルバー、Ultegra 8000、リムブレーキ
価格:462,000円(税別)
●Madone SLRに用意されたラグジュアリーなペイントスキーム「ICON」シリーズ
今回発表されたMadone SLRシリーズは、もちろんTREKのカスタマイズプログラム「プロジェクトワン」に対応しています。そして、Madone SLRシリーズのために新たに用意されたラグジュアリーなペイントスキームが「ICON」シリーズです。
カラーアップチャージは112,000円(税込)となっています。
・印象的な巨大ロゴ
そして「ICON」以外でも、今回のMadone SLRから、ダウンチューブのロゴが巨大化したペイントスキームが複数設定されているのがポイントです。
これは目立ちますね。
●新型Madone SLR発表記念キャンペーン
トレック・ジャパンが、新型Madone SLRの発表にあわせたキャンペーンの告知をしています。
新型Madone SLRのプロジェクトワンバイク(フレームセット含む)を注文した先着100名に、非売品サイクルジャージ、非売品ソックス、非売品ビアボトルオープナーの3点セットがプレゼントされます。
期間:2018年7月7日~
対象人数:先着100名
詳細は、TREKのWebサイトでどうぞ。
リンク: Trek Bikes – The world’s best bikes and cycling gear | Trek Bikes (JP)
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。