TIMEやORBEA等の代理店として知られる株式会社ポディウムの製品カタログやWebサイトを見ていると、見慣れない自転車が目につきました。しかし、そのブランド名には記憶がありました。ベルギーのフランダースで生まれたステイン・デフェルム氏が2007年に立ち上げた「stijncycles(ステインサイクルズ)」から、まったく新しい自転車が発売されたのです。
自転車競技が盛んな土地で生まれ、自身もプロの自転車選手として活躍したのち、自転車デザイナーの道へと進んだステイン・デフェルム氏。Riese and Muller(ライズ&ミューラー)でシティバイクやBIRDYのモノコックモデルなどに関わり実績を挙げる一方で、2007年にはstijncyclesを立ち上げ、イベントやSNSで彼の自転車を見かける機会はありましたが、実際にstijncyclesの製品として発売されたのは、今回紹介する「Peg」が初めてです。
Pegは20インチ(451サイズ)のホイールを前提としたフレームです。「Pegロード」はディスクブレーキ用のフレームで、406サイズのホイールを使用することもできます。しかし、ステイン・デフェルム氏はいわゆる小径車、愛らしいミニベロにロードバイク並みの走行性能を持たせて——と考えていたわけではありません。
ひとつのフレームでどんな人も合い、パフォーマンスを求める人も、旅する人も満足できる——独自のジオメトリーをゼロから設計することで、既存の自転車の壁を打ち破り、どんなジャンルにも属さない、誰でもどんなふうにも乗れる自転車ができあがりました。つまり、理想のバイクを追い求めた結果、451ホイールを採用したこの形状に行き着いたというわけです。
フレームサイズは1種類だけですが、身長約140〜200cmまで対応。フラットハンドルでもドロップハンドルでもOKです。ダイナミックな加速と意のままに曲がれるハンドリングをもつハイパフォーマンスモデルでありながら、キャリアを取り付けてツーリングバイクとして使うこともできます(フロントキャリアは付属)。折りたたみ自転車ではありませんが、輪行状態にするとフレームがホイールの直径よりも低くなるほどコンパクトです。
シングルスピードの完成車(キャリパーブレーキ仕様)も用意されています(上の写真はトラックバイクへカスタムした様子)。
「Peg ロード」のフレームセット+ホイールセットは、198,000円(税別)。そしてシングルスピードの完成車(フリー/固定両対応)は176,000円(税別)です。
詳しい製品情報はポディウムのWebサイトで、そしてステイン・デフェルム氏がPegに込めた想いはstijncyclesでごらんください。
リンク: Intro : 日本語 – stijncycles
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。