1980年代後半に日本でMTB(マウンテンバイク)がはやり始めてから数年、1990年前後になると、MTBから派生した多目的なスポーツ自転車が登場するようになりました。そんな時代にブリヂストンサイクルから発売されていたのが「ワイルドウエスト クロスロード0」です。
「ワイルドウエスト」はMTBのブランドとして立ち上がりましたが、この「クロスロード」はオンロードも楽しめる多用途な、つまりクロスバイクとして登場しています。
ハンドルの種類やタイヤのサイズなどにより、いくつかのモデルがありました。そしてドロップハンドルの最上位モデルが、このワイルドウエスト クロスロード0でした。
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カタログ写真で見ても昔の自転車だとわかりますが、それでも、現代においてどこか海外のブランドから発売されていてもおかしくない雰囲気をもっています。
ちなみにワイルドウエストは新家工業(アラヤ)「マディフォックス」の対抗馬でもあったのですが、そのマディフォックスはというと、1989年にはMTBをオールランドな性格にアレンジした「CX」シリーズを投入、700Cホイールでフラットハンドル仕様とドロップハンドル仕様を揃えていました。
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アラヤは近年になってCXシリーズを復活させています。ブリヂストンのほうではANCHOR(アンカー)が「レーシングブランド」という立ち位置のためか、こういった「多用途に遊べる自転車」は存在しにくいのかもしれませんね。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。