公益財団法人日本サイクリング協会が、去る2016年12月28日に「2017年 JCA会長 新年挨拶文 谷垣 禎一 会長挨拶」と題したテキストをWebサイトに掲載していました。
新年、明けましておめでとうございます。 平成29年の初春に際し、スポーツバイク・タウンバイクを利用する全国のサイクリストの皆様はじめ、日頃から私ども公益財団法人日本サイクリング協会(JCA)の交通法規を遵守した「正しく楽しいサイクリングの啓発と活動」の各種事業に常時多大なご協力を頂いている自転車関係業界の皆様に衷心より厚くお礼を申しあげます。 今年のトピックスは、私が会長を務める自転車活用推進議員連盟が3年がかりで取組んできた、自転車の有用性を十分に発揮できる環境の整備を目指した「自転車活用推進法」が、昨年12月9日に可決され、今年中に施行されることにあります。
情報源: Japan Cycling Association
上記引用部分にある通り、谷垣会長が2017年のトピックとして挙げたのは、2016年12月に国会で可決された「自転車活用推進法」でした。
リンク: 自転車活用推進法案要綱(衆議院)
一方で、昨年から話題になっていた資金問題についての言及は、一切ありませんでした。
日本サイクリング協会をめぐっては昨年6月、コンサルティング会社に3億円の資金運用を委託し、そのうち2.7億円が回収不能と報じられ、同協会も一度はWebサイト上で「概ね事実」と認めていました。
公益財団法人「日本サイクリング協会」(東京都品川区)が、コンサルティング会社に運用を委託した資金約3億円のうち、約2億7千万円が回収できなくなっていることが27日、協会への取材で分かった。
情報源: 2億7千万円回収できず 日本サイクリング協会 – 産経ニュース
その後、Webサイトから資金問題に関する文書は削除され、問題そのものについての説明のないまま、来年度の賛助会員募集が始まっているという状況です。
昨年は協会の人員整理も行われたようですが、2.7億円という金額やすでに生じている負債に対しては「焼け石に水」のはずであり、日本サイクリング協会の今後は相変わらず不透明であると言わざるをえません。
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(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。