GIANT(ジャイアント)のクロスバイクといえば、ここ数年はずっと「ESCAPE ◯◯」だったわけですが、2017年モデルでは新しく「CROSTAR」が加わります。ESCAPE R3よりも軽くて、よりスポーティ。そしてESCAPE RXシリーズよりも低い価格設定とし、クロスバイクに新たな選択肢を設けています。
普段使いができるクロスバイクとして実用性と耐久性がありながら、465mmサイズで9.9kgという軽量な車体。アルミフレームとアルミフォークによるキレのある走りで、街乗りもサイクリングもアグレッシブに楽しみたい人にうってつけの存在です。
フレームを見ますと、2016年モデルまでラインナップにあったアルミの入門ロード「DEFY」に近い印象を受けます。
ダウンチューブも、ごらんのとおり角形断面形状をしています。
フロントフォークはアルミ製。ESCAPE R3のクロモリフォークと比べるとショック吸収性では劣りますが、一方で軽量であり、シャープなハンドリングにも貢献します。
キャリアや泥除け(フェンダー)のための台座は、もちろん備わっています。
ブレーキ本体は、テクトロ・RX1。ESCAPE R3と同じです。
メインコンポーネントは、リア8速のシマノ・アセラ。リアのスプロケットは11-32T。
クランクセットは、ESCAPE R3と同じプロホイールの48/38/28Tです。
フレームのジオメトリーは、ESCAPE R3と同一です。つまり、上体が起きてリラックスでき、見通しもいいもの。サイズ展開は430mm(XS)、465mm(S)、500mm(M)の3種類で、重量は9.9kg(465mm)、価格は54,000円(税別)となっています。
2017年モデルではESCAPE AIRがありません。登場当初は軽量クロスバイクとして話題になったESCAPE AIRですが、そこで得られた知見は即、新型ESCAPE R3にフィードバックされ、AIRとR3の差は小さくなっていました。2017年モデルのCROSTARはAIRの後継とも言え、ESCAPE R3よりちょっと上級で、軽くてスポーティという位置付けになるかと思います。
ところで。実は2017年モデルのESCAPE RXシリーズには、先行発表された1/2/3に加えて、
ESCAPE RX4が、あるんです。価格は57,000円(税別)、重量は10.2kg(465mm)と、かなりCROSTARに近いものがあります。
しかしESCAPE RXシリーズは、ESCAPE R3やCROSTARよりも前傾姿勢をとるスポーツ向けのフレームジオメトリーになっている、シートポストがGIANT専用品の「D-FUSE」になっているといった相違点があります。シートポストに取り付けるキャリアやフェンダーを使いたい場合は、CROSTARのほうが良いでしょう。それ以外は「お好きな方をどうぞ」といったところでしょうか。
リンク: Giant Bicycle
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(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。