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  • 投稿の最終変更日:2017年11月7日
  • 投稿カテゴリー:コラム
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気軽に利用できる公共交通機関である路線バス。しかし、地方はもちろん、首都圏でも郊外に行けば路線の密度はどうしても低くなり、そうなると「自宅とバス停の間は自転車で」という移動ニーズが出てきます。また、路線バスを降車した後も再び自転車で移動できたら、便利ですよね。

「自宅からバス停までを自転車で」というニーズに対しては、バス営業所や「バスセンター」に駐輪場を設置する動きがありますが、路線バスで輪行して降車後も自転車で……という移動は、なかなか現実的なものになりません。

自転車ラックを装備した路線バスも、登場しています。

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ただ、積載できる台数はどうしても限られてしまいます。

そこでヒントとなるのが、ヤマト運輸が地方のバス事業者と提携してスタートさせた「客貨混載バス」という試みです。

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岩手県北バスでは、大型路線バス(観光バスのようなデラックスタイプ)の後部に荷物スペースを設けて、乗客と宅配便の荷物をいっしょに運ぶという取り組みを行っています。

リンク: 岩手県北バスのリリース(PDF)

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後部数列分の座席が取り払われて、横からフォークリフトで荷物の出し入れができるようになっています。

岩手県北自動車とヤマト運輸は、岩手県北エリアでバス路線網を展開する岩手県北バスの路線バスで「宅急便」を輸送する貨客混載バス“ヒトものバス”の運行を開始した。

情報源: 岩手県北バスとヤマト運輸、路線バスで宅急便を輸送する貨客混載バス“ヒトものバス”を運行開始 バス路線の生産性を向上 – トラベル Watch

同様の取り組みが、宮崎交通の路線バスでも始まっています。

情報源: 西日本初!路線バスが宅急便を輸送する「客貨混載(きゃくかこんさい)」の開始

情報源: 宮崎交通とヤマト運輸、西米良村~西都市間の路線バスで客貨混載バス 10月1日開始。客席の一部を改造して宅急便を搭載 – トラベル Watch

インプレス トラベル Watchの記事を見ると、宮崎交通のほうは一般路線タイプを利用しており、荷物の出し入れに関してはやりやすそうですね。

このように、「バスで人と貨物を同時に運ぶ」という取り組みが、現実的なものとして始まっています。路線バス事業者は、乗車率が比較的高くない路線での増収が可能になり、宅配便事業者はドライバーの動きを効率化できます。

路線バスでこういったことが可能なのであれば、冒頭に書いたような「人と自転車をいっしょに運ぶ」ということも可能ではないでしょうか。生活のための足としてはもちろん、観光のためにも有効でしょう。

昨今、「サイクルツーリズムによる観光振興」を打ち出す自治体が増えていますが、東京・名古屋・大阪といった都市圏や海外からのサイクリストを呼び込むためには、空港やターミナル駅とサイクリング好適地との間のアクセスが問題となります。

例えば「しまなみ海道」の場合、広島空港から尾道、松山空港からJR松山駅、もしくは今治市まで、自分の自転車を抱えたサイクリストをどう運ぶのか……ということです。

こんなとき、客貨混載バスのように「荷物も積めるバス」があれば、とても便利ではないでしょうか。それが、自転車“も”積めるようなバスであれば、サイクリスト以外にも大きな荷物を持った観光客、大きな荷物を持って旅たつ必要がある地元の方まで、幅広い人にメリットがあります。

例えば、国際興業グループの「Cybus」も、ツアー用のバスとしてはすばらしい取り組みです。

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情報源: 東京駅・新宿駅発 自転車サイクリングツアー | 国際興業トラベル

ただ、積載キットがスポーツサイクルに特化しているようなので(同社のツアー用に仕立てられているので、それはそれで正しい)、レンタルサイクルの電動アシスト自転車でも積めるような、ある程度汎用性のあるものができたらいいなとも思います。

そのヒントが、客貨混載バスにはあります。とくに宮崎交通のように一般路線車ベースであれば、積み下ろしもやりやすいでしょう。自転車を固定できるものを装備しつつ、もちろん自転車以外の大きな荷物も積めるようにすれば良いでしょう。

また、いわゆる「路線バス」にこだわらず、予約制の「乗合タクシー」とすれば、より現実化しやすいかもしれません。

トヨタのマイクロバス「コースター」には、乗車定員を減らして後部に大きなカーゴスペースを設けた「ビッグバン」というグレードがあります。

[2017/11/7 追記]写真は旧型。リンク先は現行。

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情報源: トヨタ コースター | 価格・グレード | トヨタ自動車WEBサイト

このビッグバンと通常グレードの中間的なモノを特装車として作れば、空港や主要駅からサイクリング好適地までの移動手段として、そして地方のコミュニティバスなどでも、大いに活用できるのではないでしょうか。

(Gen SUGAI)