お盆休みモードということで、過去のツール・ド・フランスの映像をYouTubeでいろいろと見ながらダラダラ過ごしていたところ、今から21年前、1994年のとある映像に行き着きました。
残念ながら当時私はツール・ド・フランスに興味はなく、かつてNHK BS1が放送をしていた(1985年〜1991年)のを、確か91年に見て、総合首位がマイヨ・ジョーヌを着るという仕組みや、インデュラインの名前を覚えた程度。
したがって、このシーンはリアルタイムでは見ていません。
以前からのサイクルロードレースファンには、この記事のヘッダー画像ですぐにわかると思います。1994年のツール・ド・フランス第1ステージで、ベルギーチャンピオンであるウィルフリード・ネリッセンが、ゴールスプリントの最中、なぜか柵の内側でカメラを構えていた警官と激突するシーンです。
なにせゴール前のスプリント、当然ながら派手な落車となっています。オンセのエース、ローラン・ジャラベールも大きな怪我を負い、ともにリタイヤとなりました。
ジャラベールがブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝したり、ツール・ド・フランスで山岳賞を獲得するのは、これより後の出来事です。この落車の前後で「スプリンターからクライマーに変わった」なんていう人もいますが、実際のところはどうなんでしょう。
今年のジロ・デ・イタリアでは、ダニエーレ・コッリ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が、ゴールスプリントの際に柵から身を乗り出していた観客のカメラレンズと衝突してリタイヤというシーンがありました。
日本でも、例えばジャパンカップ サイクルロードレースの沿道でカメラを構える人も多いと思いますが、周囲には気を付けたいものです。
ちなみにこの動画、なぜかテレビ局「フランス3」の(それもベルギーに近い地域圏の)アカウントでアップされていました。まぁ「フランス3」がアップしているのであれば、ある意味安心してエンベッドできますが。
[追記]ネリッセンが最初に激突し、あとからジャラベールが突っ込んでいます。一部修正いたしました。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。