ふと思い立って、ふだん当たり前のように使っている自転車に関する用語の意味を、これからスポーツ自転車を買いたいと思ってる方向けに紹介してみることにしました。今回のネタは「ホリゾンタル」と「スローピング」。
とくにロードバイクにおいて、ホリゾンタルのデザインが〜とか、スローピングが〜とか言いますが、どういう意味でしょうか。
自転車のフレームのうち、いちばん上辺に位置しているのが「トップチューブ」。このトップチューブが水平になっているのが「ホリゾンタル」です。
例えば、COLNAGO(コルナゴ)の「MASTER」。わかりやすいように水平に赤い線を引きました。
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ホリゾンタルは昔からある形状ですが、現代では次に説明する「スローピング」のフレームが主流となっています。
というわけで、スローピング。こちらはGIANT(ジャイアント)の「TCR ADVANCED 2 KOM SE」です。
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トップチューブが、後方にいくに従って下方に傾斜しています。これがスローピングフレーム。フレームがコンパクトになり、軽量化、高剛性化、(ホリゾンタルよりも)小柄な人に対応したサイズが作りやすい……等々のメリットがあります。トップチューブの長さを測るとき、スローピングフレームでは水平換算の仮想トップチューブで測るのが一般的です。
上記のGIANT TCR ADVANCED 2 KOM SEの例で見ると、
(A)のところ、線がスローピングしたトップチューブに沿ってではなく、水平に描かれています。ここに水平のトップチューブがあると仮想して、サイズの値を示すわけです。
ちなみに、ホリゾンタルフレームも、スローピングフレームも、大きな意味では「ダイヤモンドフレーム」に分類されます。
今では主流になっているスローピングフレームは、長い自転車の歴史の中では最近のものです。そのせいか、ホリゾンタルフレームには「懐かしい」という印象を持つ人も多いようです。それはロードバイクに限った話ではなく、MTBやクロスバイク、シティサイクルなんかでも、ちょっと懐かしい雰囲気を出すためのホリゾンタルフレームを採用する例は多々あります。
例えばRITEWAY(ライトウェイ)の「STYLES」。
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ブリヂストンサイクルの「CHeRO(クエロ)」。
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基本的にはホリゾンタルの自転車でも、小さいサイズだけは設計上の都合でスローピング……といった例もあります。
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[最終更新 2022/5/25]
(SUGAI Gen)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。
最後のは「ホボゾンタル」ですね。