毎日新聞のWebサイトによりますと、東京都の舛添要一知事は、東京都内で自転車通行環境を視察した上で、とくに現状の整備方針を改めず、国のガイドラインとは異なる方向で今後も自転車通行環境の整備にあたる旨を表明したそうです。
2020年の東京五輪に向け、自転車走行路の整備推進を掲げる東京都の舛添要一知事は8日、具体的な整備手法として、歩道上で対面通行を許容していく方針を示した。
引用元: 自転車走行路整備:歩道での対面通行許容 舛添都知事が示す – 毎日新聞.
なんと、
都内の自転車レーンや、自転車歩行者道(自転車が通行できる幅広の歩道)を視察後、報道陣の質問に答えた。
と、わざわざ視察なさってのことだそうです。
記事中では、
さらに、「自転車の(左側)一方通行化が望ましい」としながらも、幅が広い歩道では双方向の通行も考えていると述べた。
……とも書かれています。
ただ、一方通行なのか対面通行なのかについては、対面通行でも安全な構造にすることは可能だとしう指摘もあり、実際に海外では対面通行の事例もたくさんあるようです(余談:最近のNPO自活研や毎日新聞の報道は、そういった点には意図的に目を瞑っているようにも見受けられます)。対面通行の是非と道路構造は切っても切り話せないので、ここで乱暴な感想を述べることはやめておきます。
それにしても。
確かに実際にいきなり車道を削って自転車道/自転車レーンを作ったり、歩道が広すぎる場所で歩道から自転車道/自転車レーンを作ったり……ということは難しいかもしれません。だからこそ、長期的な目標を定め、間の前の課題障壁をしっかり見つめ、現実的なロードマップを作り対処し、やったことは振り返り、直すところは直し……というのが、政治とか行政とかってもんじゃないんでしょうかね。
舛添知事は、都内に現在ある自転車走行路計126キロを20年までに倍の約240キロにしたいと表明。
自歩道増えても意味ないような。
ちなみに、NPO自活研は、都知事選にあわせたキャンペーンで各候補者に自転車政策を問い、その結果、
これにより、史上初めて、自転車活用政策にコミットメントを示した東京都知事が誕生しました。
引用元: 新都知事とつくろう、TOKYO自転車シティ.
……としているのですが、こちらについては明日にでも取り下げたほうがよろしいのではないでしょうか。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。
歩道に自転車走行路を設けるならば、それは歩道とは切り離して自転車用とし、歩行者との混在は避けるべきでしょう。
双方向通行であれば、そこで安全に通行できるだけの幅員が必要ですし、交差点での動線をどう処理するのか新たな問題が生じてきます。
ともあれ「歩道上、双方向通行」という手法が使える個所は限られますから、自転車走行路倍増のためにはさらに踏み込んだ方策は不可欠だと思います。