今年に入ってブリヂストンサイクルから発表された、街乗り自転車の「STEPCRUZ(ステップクルーズ)」。またぎやすいV型フレームで、通勤・通学・買い物と、何でも使える「新しいスタンダード」を目指した商品です。
こちらが、その「STEPCRUZ」。
電動アシストバージョンもあります。
STEPCRUZ DEBUT! ブリヂストンの電動アシスト自転車.
さて、このSTEPCRUZは、今現在街でよく見かけるV型フレームを採用していますが、この形状はブリヂストンサイクルにとってこだわりのあるものです。実はご先祖さまがいます。
それがこちらの自転車。1984年の「OSLO(オスロ)」です。
カッコイイ!そしてSTEPCRUZがこのOSLOのデザインをかなり忠実に(もちろん設計自体はまったくの新規なのですが)再現していることがわかります。
そして、なぜ「OSLO」という名前か。実はこんなオプションがありました。
このOSLOには「ウインターサイクル」なる呼び名がありました。つまり、雪国仕様車だったのです。そして、雪国での走行安定性を考えて採用されたのが、V型フレームでした。ダウンチューブとシートチューブをつなぐハンディバーは、自転車を持ち上げやすいのと同時に、強度の確保にも役立っています。
そして、2014年。
街で便利なまたぎやすいフレームで、タフな使用に耐えること、そして、ちょっとスポーティーで男女問わず乗れるデザイン……そんな自転車を開発するにあたり、着目されたのが、このOSLOのデザインでした。
ただ、今回のSTEPCRUZはいわゆる軽快車のジャンルであって、とくに雪国うんぬんといったことは考慮されていません。OSLOは思い切ったコンセプトであった分、独特の、かつわかりやすい格好良さがあるように思います。
OSLOの写真を見て、すぐにコレを思い浮かべました。
ホンダの「CT110ハンターカブ」。
今なら、こちらですね。
ちょっと話がそれましたが、「STEPUCRUZ」をベースにして、よりいっそう「OSLO」に近づけてみるのも面白いかもしれません。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。