消費者庁が、自転車用ヘルメットに関する3つの発表を行なっています。
情報源(1): 自転車用ヘルメットの安全性を示すマークについて ― 消費者庁が自転車用ヘルメットを標ぼうする商品に関する措置命令を実施 ― | 消費者庁
情報源(2): 自転車用ヘルメットを標ぼうする商品の販売事業者3社に対する景品表示法に基づく措置命令について | 消費者庁
情報源(3): 自転車用ヘルメットを標ぼうする商品に関する注意喚起について | 消費者庁
「CE認証済」と謳いながら、実は認証されていないヘルメットが販売されていました。
しかも、偽の適合性確認検査書類の画像まで載せて。
今回、措置命令の対象となったもの以外にも、自転車用と謳いながら安全基準や規格を満たしていないものは、数多く流通していると思われます。消費者庁は今回「自転車用ヘルメットにおける外形上の主な注意点」なる文書も発表しています。
この一文に、注目してください。
内装パッドやウレタンパッドを装着したのみでは、自転車用ヘルメットの安全基準又は安全規格の適合に必要な衝撃吸収性能はほとんどありません。
内側にウレタンパッドが張り付いただけのものは、自転車用ヘルメットとしての用を成さないのです。
このようなインチキ商品については、昨年、日本ヘルメット工業会/日本自転車競技連盟/製品安全協会も注意喚起を行なっています。
日本ヘルメット工業会、日本自転車競技連盟、製品安全協会で、安全な自転車用ヘルメットを選ぶ際の資料を作成しました。ぜひご参考ください。
情報源: 自転車用ヘルメットに関する安全基準を満たす製品について | 製品安全協会CPSA
日本ヘルメット工業会/日本自転車競技連盟/製品安全協会の文書には、今回の消費者庁による措置命令の対象にはなっていない、しかも街でよく見かけるタイプのヘルメットが掲載されています。
ここからは「個人的な推測」と断っておきますが、今回の消費者庁の措置命令を受けた製品よりもさらに悪質な、虚偽のCEマークを貼付したヘルメットが流通していると思われます。ECサイトに偽の適合性確認検査書類が掲載されているくらいですから、偽のCEマークがあっても驚きません。
消費者庁が発表した「自転車用ヘルメットにおける外形上の主な注意点」は、そういったインチキ製品を掴まないようにする上では役立つでしょう。
もう少し踏み込むと、通販サイトでやたらと「CE EN1078認証」と強調していて、かつ「自転車用ヘルメットにおける外形上の主な注意点」に出てくるような形状であれば、それは避けるのが無難——ということです。リアル店舗にも平気で並んでいるので、気をつけましょう。
もしかすると、この記事に貼られているGoogle広告でも、そういうインチキが出てくるかもしれません。その場合は、クリックしないでください。
(SUGAI Gen)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。