ここ数年、私は「サイクルコンピューター」と呼ばれる自転車用のメーターを使わずに過ごしていました。しかし、それも今年の夏までの話。
それまで、iPhone 8+スマートフォンホルダーで、すっかり満足していたのです。
とくにiPhone 14 Plusを入手してからは、SIMなしとなったiPhone 8を気兼ねなくサイコン替わりに使えるようになりました。
速度は気にせず、走行距離や走行時間がわかって、ログが保存できればよいので、アプリはStravaを常用。ちょっと止まってGoogle Mapsを見ることもできるし、本当に便利です。
でも、今年の夏の暑さは、さすがにムリでした。iPhoneの温度が上昇して、使えなくなってしまうのです(いちおう、ログは取れてたりしますが)。
こりゃもう、シンプルなGPSサイクルコンピューターを買うしかないと思い、これを選びました。
iGPSPORTの「iGS320」です。税込8,855円と、本当にお財布にやさしい製品。オプションのシリコンカバー(税込1,320円)も購入しました。
ごらんのようにコンパクトですし、簡単な初期設定ですぐに使えます。スマートフォンにアプリをインストールして、Strava連携もばっちりです。
肝心な機能については、GPSサイクルコンピューターとして基本的なところは、抑えています。また、割り切るところは、かなりはっきり割り切っているのが特徴のようです。
測位システムは、GPS/GLONASS/BeiDou/GALILEO/QZSSに対応。センサー類との接続は、BLEとANT+に対応します。その他、IPX7の防水性能、バックライト、フル充電から約72時間駆動可能——などなど「これで十分だな」と思わせるスペックです。
ファームウェアをアップデートすれば、オートスタート・オートポーズや、ANT+規格のパワーメーターとの接続が可能になります。とくにオートスタート・オートストップは必須でしょうから、買ったらまずはアップデートしたいところです。
一方でバックライトは、ボタン押下時15秒点灯するほかは、タイムゾーンに応じて日の出/日の入りをもとにオートで働くのみ。これだと、夜間はバッテリー消費が早そうです。
また、ナビゲーション機能搭載を謳い、アプリで作成したルートをiGS320本体に転送すると矢印マークで目的地を示したり、曲がる交差点までの距離と曲がる方向を教えてくれたりする一方(邦楽を示すことも可能)、ルート削除機能は見当たりません。
ただ、1回でそんなに長い距離や時間は乗らないけれど、GPSサイクルコンピューターが欲しい——といったようなニーズなら、これで満たせてしまいます。何より安価ですし、かつUSBインターフェイスがUSB-Cであることも、他ブランドの安価な製品に対しては(まだ今のところは)アドバンテージと言えるのではないでしょうか。
安価とは言え久しぶりにサイクルコンピューターを使ってみて、やはり「専用品」はいいなと思いました。そして、ライトユーザーが「とりあえず」で使うには、iGS320は悪くないと感じました。
リンク: サイクルコンピュータiGSシリーズ – BRANDS OF NICHINAO
リンク: サイクルコンピューター, 心拍数モニター, サイクリングセンサー | iGPSPORT
(SUGAI Gen)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。