ロードバイクでは、最上位モデルと同じ形状で、少し安価なグレードが展開されているケースがよくあります。
例えば、SPECIALIZED(スペシャライズド)の「TARMAC SL8」。
最上位グレードは、FACT 12rフレームを採用した「S-WORKS TARMAC SL8」。デュラエース Di2完成車は1,793,000円(税込)という価格設定です。
これが、形状はそのままに素材のグレードがひとつ下になる「FACT 10r」だと、どうなるか。
SRAM Rival eTAP AXS完成車の「TARMAC SL8 EXPERT」が、825,000円(税込)で手に入ります。
リンク: TARMAC SL8 EXPERT METDKNVY/ASTRLBLU/PRL 52(52 グロスメタリックダークネイビー/アストラルブルーパール): バイク|スペシャライズドオンラインストア
例えば、TREK(トレック)の「Madone」シリーズ。
800シリーズOCLVカーボンフレームの「Madone SLR 9 AXS Gen 7」は、1,880,890円(税込)という価格設定です。もちろん、メインコンポーネントもホイールもタイヤも、よいものが備わっているわけですが。
リンク: Madone SLR 9 AXS Gen 7 – Trek Bikes (JP)
一方、つい先日発表になった「Madone SL 6 Gen 7」は、同じフレーム形状を500シリーズOCLVカーボンフレームで実現、メインコンポーネントもシマノ・105 Di2を採用するなどして、824,890円(税込)という価格を実現しています。
日本のブリヂストンサイクルが展開するスポーツバイクブランド「ANCHOR」にも、あります。
こちらは、フレームのカーボン素材にHM-CARBON+TORAY T1100を使用した「RP9」。シマノ・デュラエース Di2仕様の完成車は1,320,000円(税込)です。
リンク: RP9 | ALL LINE UP | アンカー | ブリヂストンサイクル株式会社
一方で、フレーム素材をTORAY T800/T700カーボンにした「RP8」は、シマノ・105 Di2完成車で550,000円(税込)。フレームの形状は、RP9とほとんど同一です。ホイールは「とりあえず」の感が強いですが、後から好きなものに交換する前提とも考えられます。
最上位モデルがかっこいいのはもちろんだけど、そのスタイルに惚れたのなら、同じ形状で素材違い・コンポーネント違いの下位モデルもアリでしょう。自転車の場合、形状やジオメトリーが同じということは「設計思想を受け継いでいる」わけで、そこに夢があると思うのです。
(SUGAI Gen)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。