ひとつ前の記事で、「レジャー白書」と「社会生活基本調査」から、ここ10年くらいのサイクリング人口を調べてみました。この記事は、その続きです。
レジャー白書では大きく落ち込んでいるように見えるサイクリング人口ですが、社会生活基本調査ではそこまで大きな落ち込みとも言えない——ということを書きました。
レジャー白書では、サイクリングは2012年→2021年で64%まで落ち込んでいます。しかし、社会生活基本調査の2011年→2021年では92%ですから、そこまで大幅な減少ではありません。
関連記事: ここ10年くらいのサイクリング人口は結局のところどうなのか、レジャー白書2022と社会生活基本調査で見てみる – CyclingEX CLASSIC
しかし、社会基本生活調査で見るサイクリングについての数字の中に、大きく落ち込んでいるものがあるのです。
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社会基本生活調査から、スポーツの行動者数を9ジャンル拾ってみたものを、再掲します。
再掲:『社会生活基本調査』より 行動者数(千人)
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これを見ると、この10年でそこまで大きく落ち込んでいるという印象にはならないでしょう。
では、こちらの数字を見るとどうでしょう。
『社会生活基本調査』より 平均行動日数(日/年)
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実際にスポーツをした人が、年間どれくらい行動したかです。サイクリングは、大幅に落ち込んでいます。
頻度ごとの行動者率も見ましょう。
『社会生活基本調査』より 行動者率(%)
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ライトな層は横ばい〜微減、「季節に1回以下だけど、サイクリングはするよ」という人は増加、月に2〜3回以上サイクリングをする人は激減しています。とくに女性の落ち込みは顕著です。
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前後しますが、行動者数を男女別にしてみました。
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男女とも、減って、少し戻してますが、女性のほうが大きく減りました。
とはいえ、行動の頻度・日数が減少したわりには、行動者数自体はそれほど落ち込んでいないのです。
週に何度もサイクリング(トレーニングか?)する人が減っているのは残念な気もしますが、気軽に楽しんでいる層が底堅いのであれば、それはそれで悪くないんじゃないか——とも思います。もちろん、楽観できない数字だろうと思う自分もいます。
皆さんは、どのように受け取るでしょうか。
(SUGAI Gen)