TREKのロードバイクの中でもっともオールランドに性能を発揮するのは、やはり「Émonda(エモンダ)」シリーズでしょう。
カーボンフレームのÉmondaは「SLR」と「SL」に大別されます。「SLR」は「800シリーズOCLVカーボン」フレームを採用した上位グレード、そして「SL」は「500シリーズOCLVカーボン」フレームを採用するミドルグレードです。800を採用したSLRのほうが当然ながら軽量かつ高剛性ですが、500を採用したSLもSLRの設計思想をそのまま受け継いでいます。
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そのÉmonda SLシリーズに、シマノの新型コンポーネント「105 Di2」を搭載したのが、今回紹介する「Émonda SL 6 Di2」です。ややこしいことにÉmonda SLには「SL 6 Pro Di2」というモデルもあるのですが、両者の違いは主にホイールにあります。「SL 6 Di2」はエントリーグレードのアルミリム、一方「SL 6 Pro Di2」は初めからカーボンホイールです。
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フレームのジオメトリーは、TREKが「H1.5」と呼称しているもの。もともとレース向けのアグレッシブな「H1」とリラックス気味の「H2」があり、その間をとったものとして登場したのが「H1.5」です。レース向きのポジションだけど、アグレッシブすぎる(前傾が強すぎる)こともない——という立ち位置といえます。
なお、現行Domaneはまた別の「エンデュランス」ジオメトリーを採用しています。
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メインコンポーネントは、セミワイヤレスのシマノ・105 Di2。チェーンリングは50/34Tを、スプロケットは11-34Tを標準装備。各メーカー・ブランドとも、ミドルグレードではこの組み合わせがスタンダードになった感すらありますね。
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SLはSLRの設計思想を受け継いでいると書きましたが、要するにフレーム形状は共通です。つまり、SLRのような軽さはありませんが、フレームそのもののエアロ性能はSLRと同じなのです。
Émonda SL 6 Di2の価格は、529,100円(税込)。Émondaの高性能を手頃な価格で体験できるという魅力が、Émonda SLにはあります。アルミロードバイクからのステップアップはもちろん、予算が許せば初めてのロードバイクにもよいでしょう。
リンク: Émonda SL 6 Di2 | Trek Bikes (JP)
(SUGAI Gen)