ひとつ前の記事ではアルミフレームのロードバイクをピックアップしましたが、今回紹介するのはスチールフレームの自転車たちです。
自転車のフレーム素材として長い歴史があるスチール(鉄)がもつ独特の乗り味を、あなたも体験してみませんか?
スチールフレームの乗り味ってどうなの?
鉄でできたフレームをよく「クロモリ」と呼びますが、鉄=クロモリということではありません。 スチールの中でもクロムモリブデン鋼というものを使っているものを「クロモリ」と呼びます。 クロモリではないスチールフレームもありますので、ここでは大きなくくりとして「スチール」で統一しています。
さて、そんなスチールフレームの乗り味や、他の素材との違いについては、過去の記事で紹介しています。
スチールは素材自体がしなるので、乗り心地が良く身体への負担が少ないのが特徴です。その乗り味には一定の人気があります。
ただし乗った瞬間から「あ〜乗り心地がイイ!」というものでもありませんし、安価なモデルはフレームのパイプの肉厚があるので、しなりを感じにくくなってしまいます。また、スチールフレームは他の素材に比べて重くなるという弱点もあります。
関連記事: ロードバイクなどの自転車フレーム素材と乗り味の関係 – CyclingEX
スチールフレーム=やわらかい、ということでもありませんし、他の素材より重たくなるといった弱点もあります。
それでも実際に乗り比べてみれば、スチールフレームは(最初はゴツゴツとした印象を受けながらも)ショックの角が取れているように感じたり、確かに重さは感じるものの「よく進む」と感じられるものが多いのは確かです。
さて今回は、スチールフレームの自転車をロードバイクに限らずに、価格帯も広めにとってピックアップしてみましたので、ごらんください。。
ロードバイク
FUJI BALLAD Ω
昔ながらのロードレーサーがもつ雰囲気を手軽に体感できるFUJI(フジ)の人気モデル「BALLAD(バラッド)」をベースに、現代的なパーツスペックと街中で映える精悍なカラーリングを採用しています。ストリートカスタムのベースにも。
価格:108,000円〜115,000円(税別)
ANCHOR RNC7 105 MODEL
ブリヂストンサイクルのANCHOR(アンカー)ブランドが立ち上がる前から存在する歴史的モデル。チューブの肉厚を無段階で変化させていくスピニングバテッド加工と、 金型にセットしたチューブの内側にオイルで圧力をかける「バルジ成形」 による理想的な構造、そして独特なフォルムが特徴。
価格:270,000円(税別)
関連記事: ANCHOR 2020年モデル:ネオコットクロモリフレームのRNC3とRNC7 – CyclingEX
リンク: RNC7 | ALL LINE UP | アンカー | ブリヂストンサイクル株式会社
COLNAGO MASTER
イタリアの「COLNAGO(コルナゴ)」が、カーボンフレーム中心のラインナップとなっても絶やすことなく作り続けている、スチールフレームのレーサーです。星形断面のチューブや美しいペイントが魅力で、今でも憧れの対象となっています。
価格:330,000円〜360,000円(フレームセット、税別)
関連記事: COLNAGO 2020年モデル:スチールフレームの「MASTER」にMAPEIカラーが復活 – CyclingEX
リンク: MASTER – PRODUCT | COLNAGO OFFICIAL SITE – コルナゴ公式サイト
グラベル&アドベンチャー
JAMIS RENEGADE S3
JAMIS(ジェイミス)の人気アドベンチャーロードバイク「RENEGADE(レネゲード)」シリーズのクロモリフレームモデルです。モダンな雰囲気と「遠くまで行けそう」「これでキャンプに行ったら楽しそう」という予感が同居し、乗り手の想像力と行動力を拡げてくれる1台。小さなサイズは650Bホイール、大きなサイズは700Cホイールです。
価格:178,000円(税別)
リンク: JAMIS RENEGADE S3
BIANCHI ORSO SHIMANO GRX600
BIANCHI(ビアンキ)が放つクロモリフレームのアドベンチャーロードバイクが「ORSO(オルソ)」です。 700×40Cと太いタイヤを装着し、舗装路のみならずダートも快適に巡行。 シマノのグラベル向けコンポーネント「GRX600」を搭載しています。
価格:235,000円(税別)
リンク: BIANCHI ORSO SHIMANO GRX600
RITEWAY SONOMA ADVENTURE
650Bホイールバージョンと700Cホイールバージョンが用意される、RITEWAY(ライトウェイ)の「SONOMA ADVENTURE(ソノマ アドベンチャー)」。安価でありながらもシマノ製パーツを多用し、信頼性を高めているのが特徴。ボトルケージ台座がたくさん備わっており、工夫次第で多様な使い方ができます。
価格:89,800円(税別)
関連記事: RITEWAY 2020年モデル:700Cと650Bが選べるグラベル&アドベンチャーロード「SONOMA ADVENTURE」 – CyclingEX
リンク: ソノマ アドベンチャー クロスバイク | ライトウェイバイクブランドサイト
MTB
KONA UNIT X
KONA(コナ)のフルリジッド(サスペンションが一切ない)MTB「UNIT(ユニット)の多段変速バージョンです(他にシングルスピードがあり)。29×2.6インチの太いタイヤにより、あらゆる地形に対応。2020年モデルからBOOST規格対応(前 110x15mm、後ろ 148x12mmスルーアクスル)になりました。
価格:155,000円(税別)
リンク: KONA UNIT X
JAMIS DRAGONSLAYER
JAMIS(ジェイミス)を代表するMTBだった「DRAGON」シリーズが27.5+タイヤを得て進化したのが、この「DRAGONSLAYER(ドラゴンスレイヤー)です。クロモリフレームと3.0インチ幅のタイヤが、バネ感のある乗り心地と高い走破性を実現しています。
価格:178,000円(税別)
リンク: JAMIS DRAGONSLAYER
街乗り
RITEWAY STYLES
RITEWAY(ライトウェイ)からもう1台紹介するのは、街乗り自転車の「STYLES(スタイルス)」。税別7万円を切る価格ながら、適度に「鉄らしさ」が感じられるフレームです。日本人の体格に合わせたフレーム設計や、適度に手前に引かれたハンドル等がもたらす乗りやすさも特徴。フレームサイズごとにホイールサイズも変えてあります(24インチ、26インチ、700C)。
価格:66,800円(税別)
関連記事: RITEWAY 2020年モデル:街乗り用セカンドバイクにいいかも!? クロモリフレームの「STYLES」 – CyclingEX
リンク: スタイルス クロスバイク | ライトウェイバイクブランドサイト
BREEZER Downtown 7+
グラベル&アドベンチャーロードバイクがラインナップの中心である「BREEZER(ブリーザー)ですが、こんなしゃれた街乗り自転車もあります。フェンダーやキャリア、ライト、さらにはキックスタンドといったパーツを標準装備し実用性を高めています。内装7段変速仕様です。
価格:89,000円(税別)
リンク: DOWNTOWN – PRODUCTS | BREEZER
まとめ
以上、スチールフレーム自転車を10台ピックアップしてみました。
「で、結局のところこの中で自分がいちばん気になっているのは何か」というと、実は最後の街乗り自転車2台だったりします。
スチールなら何でもOKというわけではなくて (激安なものもありますが) 、 スチールフレーム で“ちょっと、いい感じ ” の自転車を、毎日気軽に楽しみたいと思うのです。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。