10万円グラベルロード「GT GRADE ALLOY CLARIS(2016年モデル)」を、機械式ディスクブレーキから油圧式ディスクブレーキにアップグレードしたい。しかしコンポーネントはシマノ・クラリスのままがいい——そんなわがままな願いを叶えてくれたのは、GIANT(ジャイアント)の「CONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKE」でした。
定点観測的に近場をポタリングしている限り実用上の問題はない、GT GRADE ALLOY CLARISに標準装備されている機械式ディスクブレーキのテクトロ・ミラ。しかし、その「ブレーキの引きの重さ」が、長い距離を乗る上での足かせになっている面も否めません。そこで、油圧式ディスクブレーキを導入を決断。選んだのが、機械式から油圧式に変換するGIANT CONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKEだったわけです。
前回の記事: 10万円グラベルロード「GT GRADE ALLOY CLARIS」を油圧式ディスクブレーキにしたい(検討編) – CyclingEX
というわけで、GIANT製品を取り扱っている販売店にて「CONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKE SET(POST MOUNT VERSION)」を取り寄せました。GIANT製ステムの前面を置き換えて使用するので、ステムも同時に購入しました。
リンク: 2019 Giant Bicycle [ CONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKE SET ]
取り付けは、購入店にお願いをしました。そもそもCONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKEはエンドユーザーが自分で取り付けることを想定していないようで、マニュアルにはエア抜きの方法すら書かれていないということを事前に聞いていたからです。
もうひとつ、今回はもともとGRADEに付いていたテクトロの160mmローターをそのまま使用しています。しかし、CONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKEではGIANT純正のローターを使用しないと保証対象外となります。この点についても事前に知った上で購入し、取り付けを依頼しました。
なお2019年モデルでは、CONDUCT BRAKEのシステムとローターがセットになった「CONDUCT BRAKE SET」が発売されています。下記リンク先の商品一覧の、下のほうに掲載されています。
リンク: 2019 Giant Bicycle [ GEAR ]
これからCONDUCT BRAKEを導入されるのであればローター込みの「CONDUCT BRAKE SET」を購入して、GIANTの正規販売店に取り付けをお願いするのがよさそうです。
さて、私のGT GRADE ALLOYにCONDUCT HYDRAULIC DISC BRAKEが装着されました。ブレーキのシステム一式とステム、オイル、バーテープに工賃で、だいたい税込4万円といったところでしょうか。
最初の感想は「でかい」。
STIはもちろん、旧クラリスのままです。しかし、ワイヤーがあるのはSTIからステム前面のマスターシリンダーボディまで。
マスターシリンダーボディから先は、油圧式ディスクブレーキになっています。
さっそく試運転です。
まだ取り付けたばかりでパッドは新品、そしてローターはメーカー推奨外の組み合わせということもあって、制動力についてはまだ評価できる段階にないと思います。しかし、ひとつ明らかにわかるのは、ブレーキの引きがだいぶ軽くなったということです。
上位グレードの油圧ディスクブレーキやキャリパーブレーキには敵いませんが、もとのテクトロ・ミラをフルアウターのワイヤーで操作していたのと比較すると明らかに手の負担が少なくてすみ、疲労度が軽減されます。
一方で困ったのが、ハンドルバー周りが窮屈になったこと。これだけマスターシリンダーボディが大きいのですから、仕方がありませんね。従来使っていたライトや、ステム上に取り付けるスマートフォン対応バッグは居場所がなくなってしまったので、装備を見直しました。幸い、手持ちの別のライトは問題なく取り付けることができました。
もう少し使い込んだら、またレポートしたいと思います。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。