ロードバイクでアスファルトの上を快走するのは気持ちのよいものですが、ときにはMTB(マウンテンバイク)で川沿いのサイクリングロードをのんびり走ったり、あえて未舗装路を進んでみるのも楽しいものです。
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ロードバイク以外のスポーツサイクルに乗ったことがないという方は、セカンドバイクにハードテールMTBなどいかがでしょうか?
人口が多い都市部において、川沿いのサイクリングロードは自転車を楽しむ絶好の場所ではあるものの、そんなにスピードを出して走る場所でもありません。
ウォーキングやジョギングを楽しまれている方、生活道路の一部として利用している方、そして自転車も子供から大人、シティサイクルからスポーツサイクルまで幅広く利用されているのが、川沿いのサイクリングロードです。
そういった場所では、のんびり走っても楽しい自転車のほうが、むしろ有意義なのでは……と思うことがあります。
また、ときどき未舗装路に入って土や砂利の道を走ったり、年に1回でも仲間とMTBの耐久レースに出たりすると、ロードバイクとはまったく違った、自転車を操る楽しさを感じることもできます。
そんなわけで、2019年モデルのMTBからミドルグレードのハードテールモデルを5つ紹介します。
●トレイルライドの入門にぴったりな「GIANT FATHOM 1」
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ファゾムは、27.5インチホイールのトレイルバイク。ちょっと太めの2.6インチ幅タイヤと、67°と少し寝かせたヘッドアングルが特徴で、GIANTが「日本のトレイルライドに完全対応」と謳う自信作。本格的なトレイルバイクの入門としてぴったりです。
用途:トレイル
ホイールサイズ:27.5インチ
フレーム:アルミ
フォーク:SR SUNTOUR AXON 32 LO RC OverDrive コラム
フォークトラベル:120mm
アクスル(前/後):15×110mmスルー/141mm幅QR
コンポーネント:シマノ・SLX
変速段数(前×後):1×11
価格:180,000円(税別)
メーカーリンク:GIANT
●レフティ搭載のカーボンXCレーサー「Cannondale F-SI CARBON 4」
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カーボンフレームのF-SI CARBON 4は、セカンドバイクとして気軽に……という金額ではありませんが、年に数回はMTBの耐久レースやXCレースに出てみたいという人にぴったりな、29erのXCハードテールです(いちばん小さいサイズのみ27.5インチ)。F-SIシリーズの中ではミドルグレードですが十分に軽量で、軽快に登ることができるでしょう。
用途:XC
ホイールサイズ:29インチ(XSのみ27.5)
フレーム:カーボン
フォーク:ALL-NEW Lefty Ocho, Chamber Damper with Cable Lockout
フォークトラベル:100mm
アクスル(前/後):Lefty 60/12×148mmスルー
コンポーネント:SRAM NX Eagle
変速段数(前×後):1×12
価格:340,000円(税別)
メーカーリンク:Cannondale
●手頃な価格で手に入るカーボンXCモデル「MERIDA BIG.NINE 3000」
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こちらもカーボンフレームのXCモデルです。BOOST規格を採用する29erで、メインコンポーネントは1×11のシマノ・SLXを搭載。上位モデルと同じグレードのフレームを用いながら、20万円台半ばに収めた価格設定も魅力的です。カーボンフレームのロードバイクに乗っていて、かけられるコストに限度はありつつも「やっぱりMTBもカーボンがほしい!」という人にはちょうどよい選択肢。
用途:XC
ホイールサイズ:29インチ
フレーム:カーボン
フォーク:Manitou Markhor Comp Air 100 STR Tapered Remote lockout
フォークトラベル:100mm
アクスル(前/後):15×110mmスルー/12×148mmスルー
コンポーネント:シマノ・SLX
変速段数(前×後):1×11
価格:229,000円(税別)
メーカーリンク:MERIDA
●万能性をもたせたアルミハードテール「TREK X-Caliber 9」
TREKのX-Caliberシリーズの中では最上位モデルで、小さいサイズは27.5インチ、大きいサイズは29インチを採用するアルミハードテールです。レーススペックを謳っていますが、今回紹介する中では唯一のフロントダブル仕様で、フレームにはキャリアダボも備わるなど、万能性をもたせてあるのが特徴です。天候を問わず自転車通勤したい方にもよいのではないでしょうか。
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用途:XC
ホイールサイズ:13.5サイズと15.5サイズは27.5インチ、その他は29インチ
フレーム:アルミ
フォーク:RockShox Judy Silver TK, Solo Air spring
フォークトラベル:100mm
アクスル(前/後):15×110mmスルー/141mm幅QR
コンポーネント:シマノ・SLX
変速段数(前×後):2×11
価格:166,000円(税別)
メーカーリンク:TREK
●遊べる雰囲気満点のフルリジッドクロモリバイク「KONA UNIT X」
今回紹介する中では唯一、フロントサスペンションもないフルリジッドのMTB。そしてフレーム素材はクロモリとなっています。27.5+と呼ばれる太めのタイヤ(27.5×2.8)を採用し、そのホイール径とエアボリュームを活かした乗り心地を楽しむことができます。フロントフォーク横やダウンチューブ下面にボトルケージ台座があるので、バイクパッキングとの相性も◎。
用途:トレイル
ホイールサイズ:27.5+
フレーム:クロモリ
フォーク:クロモリリジッドフォーク
フォークトラベル:N/A
アクスル(前/後):100mm幅QR/135mm幅QR
コンポーネント:SRAM NX
変速段数(前×後):1×11
価格:145,000円(税別)
メーカーリンク:KONA
関連記事: KONA 2019年モデル:クロモリハードテール・UNITの多段バージョン「UNIT X」 – CyclingEX
以下、余談。
さて、MTBに乗る上でひとつ知っておきたいのが、ハンドル幅と「普通自転車」の関係です。日本の街中に多い「自転車通行可」の歩道ですが、ここでいう自転車とは「普通自転車」を指しています。そして普通自転車とは、幅60cmを超えない、長さ190cmを超えないものとされています。MTBの多くはハンドル幅が60cmを超えているので、自転車通行可の歩道を通行することはできません(工事や事故などでやむを得ない場合はOK)。
では、車道の左端を自転車専用として指定した「自転車専用通行帯」はどうでしょうか。実は、この自転車専用通行帯も「普通自転車専用通行帯」です。ではハンドル幅が70cm60cmを超過するMTBは、「普通自転車専用通行帯」を通ってはいけないのか?
ちょっと面倒な話なのですが、「普通自転車専用通行帯」は、
交通法第二十条第二項の道路標識により、車両通行帯の設けられた道路において、普通自転車が通行しなければならない車両通行帯(以下この項において「普通自転車専用通行帯」という。)を指定し、かつ、軽車両以外の車両が通行しなければならない車両通行帯として普通自転車専用通行帯以外の車両通行帯を指定すること。
……として指定されます。
ややこしい話ですが、「普通自転車専用通行帯」が車道のいちばん左側にある以上は、ハンドル幅60cmを超えるMTBなど普通自転車以外の自転車も「普通自転車専用通行帯」を通行することになります。
[2018年12月19日 動画を追加しました]
(Gen SUGAI)
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