2018年7月7日に開幕した、世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス2018」。昨日までに九つのステージを消化し、本日16日は休息日となっています。ここまでの戦いを、J SPORTSのハイライト動画で振り返ってみましょう。
第1ステージ:フェルナンド・ガビリアが初のツール・ド・フランス出場でいきなりの勝利
フランス国内からのスタートとなった今年のツール・ド・フランス。その第1ステージを制したのは、今回が初めてのツール・ド・フランス出場となるフェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ、コロンビア)でした。いきなり落車やコースアウトが発生し有力どころが影響を受け、波乱の幕開け!?
第2ステージ:LLサンチェスが落車リタイア、サガンが貫禄のステージ勝利
ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ、スロバキア)がスプリントを制して貫禄のステージ優勝。フェルナンド・ガビリアからマイヨジョーヌを奪いました。もっとも、1日限りのマイヨ・ジョーヌとなることはサガン自身がもっともよくわかっている様子。日本のファンに人気の高いルイスレオン・サンチェス(アスタナ プロチーム、スペイン)が落車でリタイアしてしまいました。
第3ステージ:BMCがTTTを制してマイヨ・ジョーヌはヴァンアーヴェルマートへ
第3ステージはチームTT。BMCレーシングがスカイやクイックステップといった強豪を降してステージ勝利を挙げ、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシングチーム、ベルギー)がマイヨ・ジョーヌを獲得しました。
第4ステージ:ガビリアが堂々のステージ2勝目
相変わらず、有力どころが落車に巻き込まれるという、なんともいえない展開がこのステージも進みます。スプリント勝負は、ガビリアがサガンやグライペルを相手に堂々のステージ2勝目です。
第5ステージ:登りもこなしたサガンが強さを見せつける
3級山岳と4級山岳、合わせて5つ山岳ポイントがあるこのステージ。「アルデンヌクラシックみたい」という選手のコメントもあったようですが、終わってみれば、サガンの強さが際立っていたように思います。ジルベールが得意そうなシチュエーションにも見えましたが、ちょっと仕掛けが早かったか。
第6ステージ:ダニエル・マーティンが会心の飛び出しを見せる
きつい坂の上にある街、ミュール・ド・ブルターニュを2回登るコース。最後の登りでジュリアン・アラフィリップ(クイックステップフロアーズ、フランス)やリッチー・ポート(BMCレーシングチーム、オーストラリア)などがアタックする中、残り1.2kmで勢い良く飛び出したのが、ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ、アイルランド)でした。マーティンは追撃を許さずステージ勝利。サガンがポイント賞を、ヴァンアーヴェルマートが総合首位を、集団前方でフィニッシュすることで守っています。
第7ステージ:フルーネウェーヘンの鮮やかなスプリント勝利
213kmという距離は、今年のツール・ド・フランスでは最長なんだとか。ディラン・フルーネウェーヘン(チーム ロットNL・ユンボ、オランダ)が、ガビリアやサガンを交わしてステージを獲っています。昨年のツール・ド・フランス第21ステージ以来、ツール2勝目です。
第8ステージ:フルーネウェーヘンがステージ連勝
ゴール前のスプリントでサガンが先行する中、ガビリアとアンドレ・グライペル(ロット・ソウダル、ドイツ)がガツンガツンと体をぶつけ合います。それを後ろで冷静に見ていたのが、フルーネウェーヘン。グライペルがガビリアを抑え込んで加速しサガンをとらえた頃、そのグライペルを発射台とするかのようにフルーネウェーヘンが前に出て、最後は余裕のポーズでした。
なお、トニー・マルティン(チーム カチューシャ・アルペシン、ドイツ)が落車・骨折によりリタイアしています。
第9ステージ:石畳のステージでデゲンコルプが勝利、リッチー・ポートがリタイア
賛否両論ある石畳のステージ。しかしその石畳に入る前に、リッチー・ポートが落車によりリタイアしてしまいました。
マイヨ・ジョーヌのヴァンアーヴェルマート、そしてイヴ・ランパルト(クイックステップフロアーズ、ベルギー)、ジョン・デゲンコルプ(トレック・セガフレード、ドイツ)の3人が先頭でゴール前へ。牽制し合う中で先頭に出されてしまったデゲンコルプですが、スプリントを制して、キャリア初のツールでのステージ勝利を挙げました。
2015年にパリ〜ルーベを制しながら、ジャイアント=アルペシン時代の2016年1月、トレーニング中に交通事故に遭い長期離脱がありましたが、その後着実に回復。そして今年のツールで、ついに大きな勝利を掴みました。
ヴァンアーヴェルマートがマイヨ・ジョーヌをキープしたものの、エースであるリッチー・ポートを失ったBMCレーシングチーム。休息日明け以降、どんな戦いをしてくるでしょうか、そして他の有力選手・チームの動きも注目です。
第9ステージ終了時点での成績
第9ステージ終了時点での成績は、下記のとおりです。
個人総合順位
1 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシングチーム、ベルギー)in 36h 07’17”
2 ゲラント・トーマス(チーム スカイ、イギリス)at 00’43”
3 フィリップ・ジルベール(クイックステップフロアーズ、ベルギー)at 00’44”
4 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ、ルクセンブルク)at 00’50”
5 アレハンドロ・バルベルデ(モヴィスター チーム、スペイン)at 01’31”
6 ラファル・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ、ポーランド)at 01’32”
7 ヤコブ・フグルサング(アスタナ プロチーム、デンマーク)at 01’33”
8 クリス・フルーム(チーム スカイ、イギリス)at 01’42”
9 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット、イギリス)at 01’42”
10 ミケル・ランダ(モヴィスター チーム、スペイン)at 01’42”ポイント賞
1 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ、スロバキア)299 pts
2 フェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ、コロンビア)218 pts
3 ディラン・フルーネウェーヘン(チーム ロットNL・ユンボ、オランダ)132 pts山岳賞
1 トームス・スクウィンシュ(トレック・セガフレード、ラトビア)6 pts
2 シルヴァン・シャヴァネル(ディレクトエネルジー、フランス)4 pts
3 ディオン・スミス(ワンティ・グループゴペール、ニュージーランド)4 pts新人賞
1 ソーレン・クラークアンデルセン(チームサンウェブ、デンマーク)in 36h 09’00”
2 トマ・ブダ(ディレクトエネルジー、フランス)at 07’00”
3 ピエール・ラトゥール(AG2R、フランス)at 07’37”チーム総合順位
1 クイックステップフロアーズ(ベルギー)in 109h 02’46”
2 モヴィスター チーム(スペイン)at 04’51”
3 ミッチェルトン・スコット(オーストラリア)at 05’58”敢闘賞
185 ダミアン・ゴーダン(ディレクトエネルジー、フランス)
情報源: 【ツール・ド・フランス2018 第9ステージ結果速報】休息日前に脱落者続出、狂気と混乱の石畳ステージは復活のデゲンコルブが区間勝利! : コラム | J SPORTS
情報源: ツール・ド・フランス2018 : サイクルロードレース | J SPORTS
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(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。