MERIDA(メリダ)は、OEMから自社ブランドの製造まで幅広く手がける台湾の大手メーカー。ヨーロッパを拠点に高性能なスポーツサイクルを開発しており「台湾生まれの欧州育ち」と言ってもよいでしょう。近年人気が高まっている同社のロードバイクの中でもひときわ目立つのが、エアロロードの「REACTO(リアクト)」シリーズです。

photo_ミヤタサイクル

●洗練されたエアロ性能と万能性

MERIDAのロードバイクには、SCULTURA(スクルトゥーラ)とREACTO(リアクト)というふたつの系統があります。SCULTURAは軽量でヒルクライムも得意なオールラウンダー、そしてREACTOはその形状からもわかるように高い空力性能をもたせたエアロロードです。

2018年モデルで第3世代に進化したREACTOは、空力性能を高めながらも、軽さと快適性、そして扱いやすさを高めています。ヒルクライムで軽さを重視したいならSCULTURAに分がありますが、それ以外ならREACTOでカバーできるでしょうし、もちろん平地の高速巡航はREACTOの得意分野です。

2018年5月に開催された「ツアー・オブ・ジャパン」最終日の東京ステージは平坦の周回コースですが、MERIDAのバイクに乗るバーレーン・メリダと宇都宮ブリッツェンの選手を見ると、SCULTURAに乗る選手もいればREACTOに乗る選手もいましたが、海外のレースフォトを見ると、新城選手を含むバーレーン・メリダの選手は、一般的なステージでREACTOに乗っていることが多いようですね。

2018年モデルで新しくなったREACTOシリーズの魅力のひとつに「シンプルであること」が挙げられるのではないでしょうか。フレームの造形は、トップチューブ前方の盛り上がりなどに複雑さを見せていますが、ケーブル類はハンドル周りからダウンチューブへと素直に取り回されており、他社のエアロロードバイクにあるような、ケーブルを逃がすための「パカパカ」などがありません。

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キャリパーブレーキモデルのリアブレーキこそBB付近に備わりますが、専用のVタイプなどではなくダイレクトマウントです。もちろんギミック好きな方もいるとは思いますが、REACTOはギミックよりも扱いやすさを優先しているのです。

そして何よりも、いかにも空力性能が高そうで、かつシャープな造形のREACTOには、独特のかっこよさがありますよね。ギミックに頼ることなくこのスタイルと性能を実現していること、そして多彩なラインナップでお求め安いグレードも用意していることなどが、REACTOの人気につながっているのではないでしょうか。

以下では、そんなREACTOシリーズのラインナップを紹介します。

●REACTO TEAM-E

プロチームの選手にも供給される、軽量なCF4フレーム採用のレーシングモデル。

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フレーム:Reacto CF4 direct ultralite [386]
フォーク:Reacto Carbon superlite 12 FM
メインコンポーネント:シマノ・デュラエース Di2
サイズ:47cm、50cm、52cm、54cm、56cm(フレームセットのみ)
重量:7.0kg(50cmサイズ完成車)、1,000g(54cmサイズフレーム単体)
価格:1,100,000円(完成車、税別)、339,000円(フレームセット、税別)

●REACTO DISC TEAM-E

REACTO TEAM-Eのディスクブレーキバージョンです。ブレーキはシマノ・デュラエースで、52cmサイズの完成車で7.4kgと、ディスクブレーキを搭載することによる重量増は抑えられています。

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フレーム:Reacto CF4 direct ultralite [386] R12
フォーク:Reacto Carbon superlite-direct
メインコンポーネント:シマノ・デュラエース Di2
サイズ:47cm、50cm、52cm、54cm、56cm(フレームセットのみ)
重量:7.4kg(52cmサイズ完成車)、1,050g(54cmサイズフレーム単体)
価格:1,100,000円(完成車、税別)、339,000円(フレームセット、税別)

●REACTO 8000-E

チームモデルと同じCF4フレームに、Visionのカーボンホイール「Metron」や、シマノ・アルテグラ Di2を組み合わせたモデルです。マットブラックのカラーで、迫力はREACTOリリーズの中でも随一。

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フレーム:Reacto CF4 direct ultralite [386]
フォーク:Reacto Carbon superlite-direct
メインコンポーネント:シマノ・アルテグラ Di2
サイズ:47cm、50cm、52cm、54cm、56cm(フレームセットのみ)
重量:7.3kg(50cmサイズ完成車)、1,000g(54cmサイズフレーム単体)
価格:750,000円(完成車、税別)、329,000円(フレームセット、税別)

●REACTO DISC 7000-E

フレームをミドルグレードのCF2として、アルテグラ Di2とディスクブレーキを搭載した仕様です。

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フレーム:Reacto CF2 disc [386] R12
フォーク:Reacto Carbon pro 12 FM
メインコンポーネント:シマノ・アルテグラ Di2
サイズ:47cm、50cm、52cm、54cm
重量:8.3kg(50cmサイズ完成車)
価格:499,000円(完成車、税別)

●REACTO 6000

チーム仕様と同じフレーム&フォークで、メインコンポーネントをシマノ・アルテグラとしたモデル。つまりフレームのグレードはREACTO DISC 7000-Eよりも上です。

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フレーム:Reacto CF4 direct ultralite [386]
フォーク:Reacto Carbon superlite-direct
メインコンポーネント:シマノ・アルテグラ
サイズ:47cm、50cm、52cm、54cm
重量:7.7kg(50cmサイズ完成車)
価格:449,000円(完成車、税別)

●REACTO 5000

ミドルグレードのCF2フレームにシマノ・アルテグラを搭載したモデル。44cmと小さなフレームサイズが用意されているのが特徴です。

フレーム:Reacto CF2 direct [386]
フォーク:Reacto Carbon pro-direct
メインコンポーネント:シマノ・アルテグラ
サイズ:44cm、47cm、50cm、52cm、54cm
重量:8.2kg(50cmサイズ完成車)
価格:289,000円(完成車、税別)

●REACTO 4000

ミドルグレードのCF2フレームにシマノ・105を搭載したモデルで、こちらも44cmサイズが設定されています。バーレーン・メリダチームカラーも用意。

フレーム:Reacto CF2 direct [386]
フォーク:Reacto Carbon pro-direct
メインコンポーネント:シマノ・105
サイズ:44cm、47cm、50cm、52cm、54cm、56cm
重量:8.3kg(50cmサイズ完成車)
価格:249,000円(完成車、税別)

●REACTO DISC 4000

REACTO 4000のディスクブレーキバージョンです。キャリパーブレーキモデル同様に、バーレーン・メリダチームカラーを用意。

フレーム:Reacto CF2 disc [386] R12
フォーク:Reacto Carbon pro 12 FM
メインコンポーネント:シマノ・105
サイズ:47cm、50cm、52cm、54cm、56cm
重量:8.6kg(50cmサイズ完成車)
価格:289,000円(完成車、税別)

●REACTO 400

REACTOシリーズのロードモデルでは唯一のアルミフレームを採用。税込みでも20万円以下でREACTOのルックスとエアロ性能が手に入ることから人気です。重量が気になるかもしれませんが、SCULTURAシリーズのアルミフレーム&105仕様の「SCULTURA 400」と比較しても+300g(50cmサイズ)に抑えられています。

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フレーム:Reacto direct-super BSA
フォーク:Reacto Carbon Race
メインコンポーネント:シマノ・105
サイズ:47cm、50cm、52cm、54cm、56cm
重量:9.2kg(50cmサイズ完成車)
価格:159,900円(完成車、税別)

●REACTO TRACK

REACTOのアルミフレームをベースに設計された、トラック競技専用モデルです。高校や大学の自転車競技部でトラック競技に取り組む人に!

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フレーム:Reacto Track direct-super BSA
フォーク:Reacto Carbon Track
メインコンポーネント:FSA Vero Track
サイズ:47cm、50cm、52cm、54cm
重量:7.3kg(50cmサイズ完成車)
価格:119,900円(完成車、税別)

——以上、REACTOシリーズの各モデルを紹介しましたが、10万円台から100万円オーバーまで、そしてアルミからカーボンまで、幅広いランナップを展開しているのも、REACTOシリーズの特徴と言えるでしょう。上位モデルの完成車はさすがに値が張りますが、フレームセットは性能を考えるとリーズナブルな価格設定ではないでしょうか。予算と目的に応じて、どのREACTOを選んでも、損はないでしょう。

そして何よりも、このルックスに惚れたなら、迷う理由はありません。

なお、2018年モデルで新型に切り替わったばかりですから、新型105搭載モデルが登場すると見込まれる以外、2019年モデルでも大きな変更はないでしょう。

リンク: MERIDA

(Gen SUGAI)