ロードバイクが欲しい、そして颯爽と走りたい。
初めてだから、いきなり高いものを買うのは不安だ。
だけど、安価なものでは満足できないのも、目に見えている——。
冷静に考えればワガママな話だ。
以前、ビギナー向けのロードバイクガイダンス&バイヤーズガイドと称して記事を書いた際には「これから初めてロードバイクを買うと言っても、やりたいことも懐具合も人それぞれだろう」という考えから、ロードバイク本体については10万円以下から40万円以下まで、まんべんなく取り上げた。
関連記事: 2017-2018年版ビギナーにおすすめのロードバイク:これから始める人のためのガイダンス&バイヤーズガイド – CyclingEX
「初心者=安いもの」という図式に当てはめるのは間違いであると今でも思っているが、とはいえ多くの人にとっての現実的なラインというものがあるのも事実。
自転車ショップに行って、「ロードバイクが欲しい」という相談をしているお客さんとショップスタッフの会話を横聞きすることが趣味の私。そんな私なりに考えた現実的なラインは、ふたつ。「できるだけ安く」と「15万円〜20万円」だ。前者については、別の機会に回すとして、今回は後者の「15万円〜20万円」でいこう。
もちろん、ロードバイク本体だけの予算だ。いまどき、ロードバイク以外にも少し出費が必要なことは、言うまでもなく皆さんご存知だろう。ともかく、初めてのロードバイク本体に15万円〜20万円ほどの予算を見繕うというのは、悪くない。初めての1台としてはなかなか良いものが手に入るからだ。そしてその1台は、すぐに飽きたり不満が出たりすることなく、もっと速く、もっと遠くまで走ったり、パーツを交換してグレードアップしながら、サイクリストとして成長していくあなたに寄り添ってくれるに違いない。
つまり、冒頭の「ワガママな話」は、叶うのだ。
(もちろん、最初から100万円使える人は、思う存分使ってほしい)
というわけで、本稿では10台のロードバイクを紹介しよう。
[2018/8/10 追記] すでに2019年モデルを発表しているメーカー・ブランドが多くあります。15〜20万円クラスのロードバイクについて、下記のタグアーカイブおよび記事にまとめてありますので、そちらもあわせてごらんください。
タグアーカイブ: [2019モデル版]最初の1台にぴったりな15万〜20万円クラスのロードバイク – CyclingEX
関連記事: 2019年モデル版:これから成長していくビギナーにおすすめの15万円〜20万円・万能アルミロードバイク5選 – CyclingEX
●TREK Émonda ALR 5
軽くて耐久性もあるアルミフレームのロードバイク。初めての人でもとっつきやすく、かつパフォーマンスが出せるフレーム設計が特徴だ。ゆっくり目のサイクリングでも、速い人に着いていくロングライドでもしっかりこなす、万能な1台と言えるだろう。ホイールを交換するなど、各部をアップグレードして長く付き合える。
価格:166,000円(税別)
フレーム素材:アルミ
メインコンポーネント:シマノ・105
変速段数:前2×後11
※ペダル別売
リンク: Émonda ALR 5 | Trek Bikes (JP)
photo_トレック・ジャパン
●FELT F75
FELTのFシリーズは、レース向けに設計されたロードバイク。現在では後継のFRシリーズが登場しているが、このFシリーズも根強い人気があって、継続して販売されている。フレーム素材はアルミ。乗車姿勢は前傾が強めで、今どきのビギナー向けのセオリーからは外れるが、スポーツとして乗りたい、レースに出たい等の目的がはっきりしているなら、良きい相棒となるだろう。
価格:148,000円(税別)
フレーム素材:アルミ
メインコンポーネント:シマノ・105
変速段数:前2×後11
※ペダル別売
リンク: F75 – Felt Bicycles 日本語公式サイト | フェルト ロードバイク,クロスバイク
photo_ライトウェイプロダクツジャパン
●MERIDA RIDE 400
ずばり、ロングライド向けの設計だ。フレーム素材はアルミだが、カーボンフレームをもつ上位モデルの設計思想を落とし込んだ。上体が起きてリラックスしたポジションで、ビギナーでも安心して長距離のサイクリングを楽しむことができる。乗り手の中における「長距離」の定義も、きっとすぐに変わることだろう。
価格:159,900円(税別)
フレーム素材:アルミ
メインコンポーネント:シマノ・105
変速段数:前2×後11
※ペダル別売
リンク: メリダ -MERIDA- | ラインナップ | ロードバイク | RIDE 400
photo_ミヤタサイクル
●FUJI ROUBAIX 1.3
レースで使える走行性能と、長い距離を走っても疲れない乗り心地の良さ。相反するふたつの目標を、このROUBAIXのような現代のアルミフレームはしっかりクリアしているので、これからロードバイクを始める皆さんは幸せだと思う。ROUBAIXはルックスの良さも魅力(個人的な趣味だが)。ちなみにFUJIは、日本の「日米富士自転車」をルーツにもつアメリカブランドだ。
価格:159,000円(税別)
フレーム素材:アルミ
メインコンポーネント:シマノ・105
変速段数:前2×後11
※ペダル別売
リンク: ROUBAIX 1.3|FUJI BIKE フジ自転車
photo_アキボウ
●SPECIALIZED ALLEZ SPRINT DSW SL COMP
今回紹介する中ではおそらく、最もレース向けのロードバイクだ。なんといってもエアロデザインのフレームがかっこいい。乗れば軽くて剛性があり、スパルタン。性能を考えたらなかなかのお買い得と言える。ただ、乗りこなせるようになれば「もっと速く」「もっと軽く」と考え、気がつけば沼にはまっているかもしれない。
価格:178,200円(税込)
フレーム素材:アルミ
メインコンポーネント:シマノ・105
変速段数:前2×後11
※ペダル別売
リンク: ALLEZ SPRINT DSW SL COMP | Specialized.com
もしくは http://www.specialized-onlinestore.jp/shop/g/g90018-5149/
photo_スペシャライズド・ジャパン
●CANNONDALE CAAD12 TIAGRA
「カーボンキラー」と呼ばれてきた、CANNONDALEのアルミロードバイク「CAAD」シリーズ。ロードバイクの主流フレーム素材がアルミからカーボンに移っていく時期、同社はしばらくアルミにこだわり、その後カーボンフレームを出してからも「アルミでもカーボンと渡り合えるロードバイク」を絶やさなかった。CAAD12は、そんな同社の伝統が息づく1台。
価格:150,000円(税別)
フレーム素材:アルミ
メインコンポーネント:シマノ・ティアグラ
変速段数:前2×後10
※ペダル別売
リンク: CAAD12 TIAGRA Cannondale Bicycles
photo_キャノンデール・ジャパン
●BRIDGESTONE ANCHOR RL6 SPORT
ブリヂストンサイクルのレーシングブランドである「BRIDGESTONE ANCHOR」のロングライドモデル。プロ選手によるテストや親会社であるブリヂストンがもつシミュレーション技術などを組み合わせ、快適でよく進むロードバイクを開発。乗り手の体格に合わせて各パーツのサイズなどを選択できるほか、カラーオーダーにも対応できるのは大きな魅力だ。
価格:155,000円(税別)
フレーム素材:アルミ
メインコンポーネント:シマノ・ティアグラ
変速段数:前2×後10
※ペダル別売
リンク: RL6 SPORT|製品|ブリヂストンのスポーツバイク アンカー|anchor
photo_ブリヂストンサイクル
●GIANT CONTEND SL 1
世界最大の自転車メーカーであるGIANTが、豊富な経験と高い技術で作るアルミフレームのロードバイク。ビギナーでもとっつきやすく、そして本格的なスポーツライドやロングライドに対応できる、まさに万能なモデルだ。この価格でチューブレス仕様(タイヤのチューブがない)なのも珍しい。
価格:140,000円(税別)
フレーム素材:アルミ
メインコンポーネント:シマノ・105
変速段数:前2×後11
※フラットペダル付属、チューブレス用シーラント付属
リンク: 2018 Giant Bicycle [CONTEND SL 1]
photo_ジャイアント
●MIYATA ITAL SPORT
日本メーカーのMIYATAによる、クロモリフレームのロードバイク。昔のレース用ロードバイクの雰囲気を、比較的リーズナブルな価格で実現している。乗車姿勢も比較的前傾が強めのものだが、それを乗りこなすという楽しみ方があってもよいだろう。バイクの個性を理解した上で購入するのが、大前提ではあるが。
価格:128,000円(税別)
フレーム素材:クロモリ
メインコンポーネント:シマノ・ティアグラ
変速段数:前2×後10
※フラットペダル付属
リンク: MIYATA自転車 | MIYATA | ラインナップ | イタルスポーツ | イタルスポーツ
photo_ミヤタサイクル
●ROCKBIKES ENVY
ROCKBIKESは、流行に左右されない「カッコイイ」自転車を、ときに熱く、ときに青臭く追い求めているブランドだ。ENVYは、ストリートのためのクロモリロードバイク。ストリートといっても「街中での扱いやすさが云々」ではなく、強い前傾姿勢による攻撃的なスタイルと走りのキレを優先させている。所有欲を満たすのは、得てしてこんなロードバイクだったりするのかもしれない。
価格:145,800円(税込)
フレーム素材:クロモリ
メインコンポーネント:シマノ・ティアグラ
変速段数:前2×後10
※フラットペダル付属、シマノ・ティアグラ以外の仕様も各種あり
リンク: Rockbikes / ENVY
photo_NYC
以上、10台を紹介したわけだが、そもそもロードバイクとはどんな乗り物か?素材による違いは?どうやって買えば良いか?といったことについては、やはり下記リンク先の記事をご覧いただければと思う。
関連記事: 2017-2018年版ビギナーにおすすめのロードバイク:これから始める人のためのガイダンス&バイヤーズガイド – CyclingEX
これからロードバイクを買おうとする皆さんと、良いバイク、良いショップとの出会いがあることを、祈っています。
追記:「できるだけ安く」の記事も書きました。
関連記事: 2018年版!コミコミ15万円で始めるロードバイクライフ – CyclingEX
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。