警察庁は27日、道路交通法の基準に適合しない「電動アシスト自転車」についての注意喚起を発表しています。
この度、警察庁において「電動アシスト自転車」と称して販売されている7製品について確認を行った結果、各製品の少なくとも一部に、アシスト比率が基準を超え、基準に適合しないものが存在することが判明しました。
情報源: 道路交通法の基準に適合しない「電動アシスト自転車」と称する製品について|警察庁
[2023/1/15追記:新しいリンク先] 下記リンク先から「道路交通法の基準に適合しない「電動アシスト自転車」と称する製品について」というドキュメントを参照してください。
関連して、国民生活センターからも下記のような発表が行われています。
国民生活センターに電動アシスト自転車について「アシスト力が強いので調べてほしい」、「バッテリーを充電中に充電コードが発火したので原因を調べてほしい」というテスト依頼が寄せられたため、それぞれについて商品テストを行ったところ、アシスト力については道路交通法で定められた基準を満たしておらず、公道を走行できないものであったほか、これとは別の銘柄において、充電コードが損傷した状態でバッテリーを充電するとコードが発火する場合があることが判明しました。
情報源: アシスト力や充電コードに不具合がみられた電動アシスト自転車-当該品をお持ちの方は事業者にお問い合わせください-
警察庁のPDFで名前が挙がっている各事業者の対応を調べてみました。
●株式会社アイジュ
9月の段階で、今回名前が挙がっていない製品も含めて、無償でユニット交換を行うことが発表されていました。
情報源: 株式会社アイジュ | アイジュサイクルお客様へのご案内(パステルのお詫びと制御ユニット無償交換のお知らせ)
情報源: 株式会社アイジュ | アイジュサイクルお客様へのご案内(パスピエのお詫びと制御ユニット無償交換のお知らせ)
今回の事態の原因については、
対象製品は製造メーカーにて50台のみ在庫をしていた最終ロット品で、組み立てる際に製造工場にて誤って日本仕様ではないヨーロッパ向けの制御ユニットを取り付けて販売した。
……と説明されています。
●株式会社永山
下記に無償改修のお知らせが掲載されていました。
●株式会社カイホウジャパン
対象製品の使用を中止し連絡するよう告知が掲載されていました。
この度、電動アシスト自転車SUISUIの「KH-DCY03」と「KH-DCY09」において、アシスト力の一部が規定数値を超えている車種があることが判明致しました。対象製品をご使用中のお客様にはご使用を控えていただき、下記問い合わせ先までご連絡くださいます様お願いいたします。
情報源: 【重要なお知らせ】 電動アシスト自転車「SUISUI」について | カイホウジャパン公式サイト
●神田無線電機株式会社
使用を控え「アシスト力について心当たりのある場合は」連絡してほしいという告知が行われています。
情報源: 告知PDF
●日本タイガー電器株式会社
Webサイトには、今回の件については何も掲載されていません。
情報源: 日本タイガー電器株式会社
ただし、国民生活センター及び警察庁の発表資料には、電話番号等の問い合わせ先は掲載されています。
<追記>なお、警察庁の発表資料によれば同社当該製品は形式認定を受けていません。
情報源: アシスト力や充電コードに不具合がみられた電動アシスト自転車-当該品をお持ちの方は事業者にお問い合わせください-
●株式会社サン・リンクル
警察庁のPDFにはメールアドレスのみが記載されています。
同社のWebサイトには、今回の件については何も掲載されていませんでした(ただし会社概要で電話番号を知ることはできます)。
情報源: 株式会社サン・リンクル | あなたのエコライフアシストします
<追記>なお、警察庁の発表資料によれば同社当該製品は形式認定を受けていません。
さて、最後の株式会社サン・リンクルが発売していた電動アシスト自転車、警察庁のPDFには「City Green light mini」と掲載されていますが、実際に流通している商品名は「City Green little mini」だと思われます。製品情報は下記リンク先から見ることができます。
情報源: 製品情報 | 株式会社サン・リンクル
この電動アシスト自転車、以前に新製品情報がとあるWebサイトに掲載されていて(現在は削除されているようです)、その機能紹介に少しきになる点がありました。
小さくて見にくいかもしれませんが「歩行時に押すとアシストする」というボタンがあるのです。
同社がアップロードしたYouTube動画を見ますと、
(↓スクリーンショットです)
「6KM/H」と書かれたボタンがあります。これを押すと、ペダルを漕がなくてもモーターが駆動するというわけ。これを販売元では「押し歩きアシスト」と説明していたようです。ペダルを漕がなくてもモーター駆動する時点で「公道アウト」「私有地でお楽しみください」となるわけですが、販売元は「荷重が重ければ動かないし、軽ければ動く。ただ荷重が人間の場合は体重によりますが原則進まない」と、メディア等に説明していたようです。
<追記>サン・リンクルのWebサイトが消えましたので、アーカイブのリンクを貼っておきます。
株式会社サン・リンクルの会社概要
情報源: 株式会社 サン・リンクル|会社概要
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(SUGAI Gen)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。
「押し歩きアシスト」機能、法律では公道アウトなのかもしれませんが、スロープとかで押し歩きしなければならない状況で、ただでさえ重い電動アシスト自転車を押す時なんか重宝しそうではないですか?
こういう機能は積極的に認めるべきではないでしょうか?