資産問題に揺れるJCAこと公益財団法人日本サイクリング協会が、今まで開催してきた「全日本ヒルクライムシリーズ」の終了と、広報誌「CYCLING japan」の発行スケジュール変更を発表しています。
情報源: Japan Cycling Association
まずは全日本ヒルクライムシリーズの件から。
JCA 全日本ヒルクライムシリーズ戦の終了について[PDF]
全日本ヒルクライムシリーズとは、蔵王/美ヶ原/鳥海/乗鞍の4ヒルクライム大会をシリーズ戦として扱い、全4戦中の3戦以上に一括エントリーし、成績上位者を表彰、シリーズチャンピオンを台湾の「TAIWAN KOM CHALLENGE」に招待するという触れ込みでした(2016年度)。
このシリーズ戦の制度が終了し、また「全日本マウンテンサイクリングin乗鞍」のJCA賛助会員に対する優先枠も終了すると発表されてます。4大会そのものがなくなる……というアナウンスではありません。
続いて、広報誌「CYCLING japan」。
本会広報誌「CYCLINGjapan」の発行について[PDF]
『冠省、会員の皆様には本会の運営に関しまして、種々ご心配をお掛けしている 処ですが、今般、一つの目処が付きましたことから、お詫びとともにお知らせ申 し上げます。』という書き出しなのですが、そもそもそれについて説明していただきたいところですね。
それはさておき、なかなかのハイクオリティでファンも多かった広報誌「CYCLING japan」ですが、このお知らせのでは、
『本年9月20日発行予定の秋号12 月20日発行予定の冬号につきましては、諸般の状況により発行を見送らせて いただき、来年3月までに「秋、冬、春の合併号」の形で発行を予定』
……とされています。もしかして、それで最後でしょうか?
ちなみに『種々ご心配」の件について、以前JCAのWebサイトにお知らせが載っていたのですが、いつのまにか見当たらなくなっておりました。お知らせがどこにいってしまったのかJCAに電話で問い合わせたところ、現在資産問題そのものについてのお知らせは掲載していないとのこと。筆者も賛助会員ですが、まったく納得のいかない話です。
JCAの今後が不透明で十分な説明が行われていないことで、一部地域のサイクリング協会(JCAとは連携する独立団体という位置付けになっている)が、JCAサイクリングリーダーやインストラクター、ディレクターといった指導者制度にもとづいた講習会の実施を見送るといった影響も出ています。今年度から本格的に始まっている「サイクリングガイド検定」への影響も、気になるところです。
海外から日本のサイクリング環境についての問い合わせがあったり、国内でも官公庁等からサイクリングにまつわる動きがあるとき、「日本の“サイクリング”を統括する団体」として、まず声がかかるのがJCAであり、その役割は小さくありません。この不確かな状況が早急に改善されることが望まれます。
リンク: 2億7千万円回収できず 日本サイクリング協会 – 産経ニュース
リンク: Japan Cycling Association
リンク: 日本サイクリング協会に関する新聞報道について – 千葉県サイクリング協会
リンク: 日本サイクリング協会の状況 – 千葉県サイクリング協会
リンク: 日本サイクリング協会(JCA)の現状とTCAの対応について
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。