ダイハツが、新しい軽商用車「ハイゼット キャディ」を発表しました。モデル名はハイゼットシリーズを名乗っていますが、カタチを見ればわかるとおり、あのクルマの商用車バージョンです。
そう、ベースとなっているのはこちら。
超背高ボディとさまざまな趣味をターゲットとした露出で話題となった、「ウェイク」です。
ボディ形状はウェイクと同様で、樹脂製のラゲッジスペースもウェイクから受け継がれていますが、商用バンとして割り切った2シーターとなっているのが大きな特徴です。ウェイクで後部座席の足元(後部座席を折りたたんだ際は格納される場所)も、ボードを外すことで荷室として使うことが可能。これにより軽ワンボックスのハイゼットカーゴにはない「高さ」が生まれています。
フロントの座席下にエンジンがあるハイゼットカーゴよりも、ゆったりとした乗員空間を確保することができています。ただ、その分だけ割りを食うのが、1310mmという荷室の前後長。スポーツサイクルを積載する際には、前後輪を外すことになるでしょう。
また、ウェイク同様に助手席の前倒しが可能なので、その場合は約1,900mmの前後長が生まれます。ただし2シーターなので、助手席を前倒しすると1名しか乗ることができません。
なお、最大積載量は150kgとなっています。
ABSとVSC(横滑り防止装置)を全グレード標準装備。ダイハツの商用車としては初めてVSCが装備されました。グレードはノンターボ2種、ターボ1種で、各グレードに「スマアシ II」バージョンが用意されます。また、FF/4WDもそれぞれ設定されます。ウェイクがベースということでMTはなく、CVTのみです。
価格は、いちばん安価なノンターボの「D(2WD)」が1,188,000円(税込)。いちばん高価な「X “SA II”(4WD)」が1,554,400円(税込)。装備が削られている分ウェイクよりは安価になっていますが、軽商用車としては「高級」です。また、オプションをいろいろと付けていくと、価格もウェイクに近づいていきます。
ウェイクをベースとした商用バンということで、ニッチで、かつ割り切ったクルマになっている印象のある「ハイゼット キャディ」。その誕生には、ウェイクが思ったほど売れていないという事情もあるのかもしれません。ダイハツ自身も月間目標1,000台と、それほど数が出ることを期待しているわけでもなさそうです。
ただ、ウェイクよりも少し質素になった分、道具らしい雰囲気は増したように思いますし、そこに魅力を感じる人もいるのではないでしょうか。
情報源: ダイハツ「ハイゼットキャディー」はウェイクの販売不振が生み出した軽商用車の隙間商品?【新型車解説】 【オートックワン】
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。