2ヶ月間ほど、ヤマハ発動機の前二輪スクーター「TRICITY(トリシティ)」をお借りしていました。
街中の移動やプチツーリングでテストしていましたが、前輪がふたつあることによる安定感・安心感はさすがのもの。ただし、原付二種の125ccながら車体重量156kg(ABSモデル)という重量級であるがゆえ、巷でイメージされる125ccスクーターのような快速っぷりではありません。もちろん、遅いというわけでもないのですが。
しかし、慣れてくると不思議なもので「別に速くなくてもいいか、遅いわけでもないし」と思えてきます。車体の大きさ、とくに幅があることも相まって、車列の合間をすり抜けていこうなどという気持ちも起きません。するとかえって、心に余裕が生まれるのです。
気持ちとしてはデキのいいシティサイクルに乗っているような感じで、少し古い表現ですけど「かっ飛び系」とは対極にあります。
人は、パワーや機動力を手に入れると、どうしてもちょっと勘違いしてしまいがちなように思います。それが、自分自身の力であるかのように。
それは原付二種のスクーターにしてもモタードバイクにしても、電動アシスト自転車にしても人力のロードバイクにしても、そしてハイブリッドカーにしても同じではないでしょうか。
だからこそ、こういう平和な乗り物も、良いんじゃないか。
TRICITYで感じたことは、自転車と付き合う上でも役立つような気がしました。それが具体的にどういうことなのかは、まだわかりませんが。
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リンク: トリシティ125 – バイク スクーター | ヤマハ発動機株式会社
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。