スーパーマーケットやホームセンター、ディスカウントストアを展開しているOlympic(オリンピック)グループが、近年自転車専門店「サイクルOlympic」を出店し、その数を増やしています。2015年春には、スポーツ車を専門に扱う「velo sportif(ヴェロスポルティフ)」を横浜の綱島にオープンさせています。今回は綱島のお店におじゃまして、いったいどんなところなのかを伺ってみました。
1Fはシティサイクル中心の「サイクルOlympic」
東急東横線の綱島駅から徒歩12分ほど、鶴見川のサイクリングロード至近にある「サイクルOlympic 綱島樽町店」と「velo sportif(ヴェロスポルティフ)」です。1Fがシティサイクルや子供車、電動アシスト自転車などを中心に扱うサイクルOlympic、2Fがスポーツサイクルを扱うvelo sportifという構成。まずはサイクルOlympicのほうから見ていきましょう。
「もともとはディスカウントストアのOlympic 綱島樽町店として営業していまして、その中に自転車売り場がありました。それを2015年4月に自転車専門店としてリニューアルしたのが、サイクルOlympic 綱島樽町店です。専門店化することによって、多様なお客様のニーズにお応えし、レベルの高い接客を提供することができるようになったと考えています」
そう話すのは、サイクルOlympic 綱島樽町店の渡部大介店長です。フロアを見渡してみると、シティサイクルから電動アシスト自転車、そして子供車まで幅広く取り揃えていますが、中でも子供車が充実していますね。
「電動アシスト自転車と子供車の人気が高いのが、当店の特徴です。横浜の中では比較的坂が少ないエリアなので電動アシストが人気というのは意外ではあったのですが、若いお母さんがお子さんを乗せるために購入されるケースが多いですね。そして子供車では、幼児用からジュニアマウンテン、女の子向けのものまで、幅広く売れています」
ということは、お客さんはファミリーが多いのでしょうか?
「そうですね、ご家族でいらっしゃるケースが多いです。お母さんが1Fで電動アシスト自転車や子供車をゆっくり選んでいただいて、その間にお父さんは2Fのvelo sportifでスポーツサイクルを眺めているということも多いようです」
そのようなニーズを踏まえ、お店づくりをする上で渡部店長が心がけていることがあります。
「女性が入りやすく、そして見やすい売り場を意識しています。商品の陳列を圧縮することは避け、通路の幅も広くとっています。ご家族でいらっしゃるお客様が多く、中にはベビーカーを押している方もいますから、そういった皆様にとって入りやすいお店であることが大事だと思っています」
そして綱島樽町店に限らず、サイクルOlympicが力を入れているのがメンテナンスです。「他店で購入された自転車でも、もちろん修理します。乗りっぱなし、壊れたらそのとき初めて自転車屋さんに持っていくというのではなく、ぜひ定期的に点検を受けていただいて、安全な状態で自転車を使っていただきたいですね」と、渡部店長は話します。
2Fは新業態のスポーツサイクル専門店「velo sportif」
今度はエスカレーターで2Fに上がってみましょう。すると、1FのサイクルOlympicとは好対照のフロアが広がっています。
広々として落ち着いた売り場が広がっています。そこに(詰め込み過ぎない程度に)たくさんのスポーツサイクルが並べられています。
「velo sportifは、2015年の春に1FのサイクルOlympicよりも1週間ほど遅れてオープンした、まったく新しい店舗です。まもなくオープン1周年を迎えます」
そう話すのは、velo sportifの店長を務めるのは、井澤泰治さんです。
「主に取り扱っているのは、クロスバイクや入門クラスのロードバイク、MTBやフォールディングバイク、そしてパーツやアクセサリーなどです。自転車をご購入される方々の多くが、初めてのスポーツサイクルとして選ばれています。つまり、すでにスポーツサイクルを楽しんでいる方よりは、まだ持っていない、これから初めてスポーツサイクルを買うというお客様が中心です」
実際にはどのようなお客さんが、velo sportifで自転車を買われていくのでしょうか。
「当店でスポーツサイクルを買われていく方の7割程度は、自転車通勤が主な目的と話されます。それも最寄り駅までというのではなく、自宅から会社まで自転車で通いたいという方です。あとの3割が趣味としてのサイクリングでしょうか。もちろん、通勤がメインだけどたまの週末にはサイクリングでもしてみようか……という方もいらっしゃいます」
人気があるのは、やはりクロスバイク。井澤店長は「そのようなニーズなので、人気なのはやはりクロスバイク。ライトウェイ・シェファードシティやルイガノ・シャッセ、ジオス・ミストラルといったあたりが人気ですね」と言います。いずれも、ビギナーでも乗りやすいクロスバイクとして定評があるものです。
お店の売り場づくりも、ビギナーが入りやすく見やすいように配慮されています。
「スポーツサイクルの販売店は、自転車が所狭しと並べられていることが多いように思います。velo sportifでは、1台1台の自転車をしっかり見ていただけるように、ゆとりを持った展示を心がけています。また、こちらからスタイルを提案できるようにしたり、例えば小柄な方でも乗ることができるサイズを集めたコーナーを設けたりと、つどつど工夫はしています」
そういった工夫はパーツ&アクセサリーの展示にも共通していて、商品の特徴がわかる手書きPOPがところどころに配されているのも印象的です。
そしてなんとも興味深いのが、メンテナンスサービスに対する取り組み。
「1F同様に、他店で購入されたスポーツサイクルの修理も歓迎です。自宅から離れた量販店で購入されるなどして、修理・メンテナンスにお困りの方も多いのではないでしょうか。オーバーホールも承りますので、ぜひご相談いただきたいですね」と井澤店長は話します。
しかし、それだけではありません。
velo sportifには、メンテナンスに使用できるレンタルルームが用意されているのです。ワークスタンドや基本的な工具が用意されており、広々としたスペースで愛車のメンテナンスが可能です。
自分でメンテナンスやパーツ交換をやりたい、だけど自宅には十分なスペースがなかったり、家の中で自転車を触ることを家族が快く思わないといった話も聞きます。そんな人にとっては、velo sportifはまさにうってつけの存在です。
「自分でやってみて、途中でわからないことがあったり、やはりご自身ではできないと感じたりした場合は、そこから先の作業は当店にお任せいただくといったようなことも可能です」(井澤店長)
また、velo sportifでは鶴見川サイクリングロードのすぐ近くという立地を生かして、ポタリングイベントも始めています。
ポタリングのガイド役は、スタッフの平子さん。
平子さんは「鶴見川の上流方面を中心に、初心者でも参加しやすいポタリングイベントを定期的に開催していくので、ぜひvelo sportifのFaceBookページをチェックしてください」と話します。
綱島周辺は鶴見川の流域でもかなり人口密度の高いエリアですが、上流に向かって1時間も走ると、なかなかのどかな雰囲気が広がります。川沿いも比較的走りやすいので、週末のサイクリングを気軽に楽しむには絶好の環境と言えるでしょう。
というわけで、綱島にある「サイクルOlympic 綱島樽町店」と「velo sportif」を紹介しました。店舗に関する詳しい情報は、サイクルOlympic 綱島樽町店の店舗Webサイトと、velo sportifのFaceBookページでどうぞ。
店舗情報
サイクルOlympic 綱島樽町店(1F)/velo sportif(2F)
〒222-0001 神奈川県横浜市港北区樽町3-12-26 正松ビル
営業時間 10:00〜20:00
TEL 045-534-0260
サイクルOlympic 綱島樽町店のWebサイトはコチラ
velo sportifのFaceBookページはコチラ
サイクルOlympicの総合案内はコチラ
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。