毎週金曜日に更新している、CyclingEXの姉妹サイトで日本を代表する自転車メーカー・ブリヂストンサイクルのファンサイト「BRI-CHAN(ブリチャン)」。今回は「フルシマノ」ということばについて触れてみました。
「この自転車はココ(あるパーツ)がシマノだからいいよ」とか「フルシマノだからいいよ」といったことを、自転車店や自転車マニアの皆さんが言うわけですよね。もちろん私も、とくにクロスバイクに対しては「この価格でフルシマノ!」みたいなことは、言います。
今回はたまたまBRI-CHANのほうでネタにしてので、あちらではブリヂストンのことを中心に書いていますが、もちろん他のメーカーやブランドでも、シマノのパーツを採用していることは「ウリ」になっています。
例えばRITEWAYのSHEPHERD CITY(シェファードシティ)。パーツ構成は安価なもので固められているのですが、それでも極力シマノで統一しており、それが安心感を与えています。
GIANTのESCAPE R3も、かつてはSRAM製のパーツが中心だったのが、今では(フルシマノではないけれど)前後ディレーラーはシマノ製です。そしてシマノ製パーツを採用することで「良くなった」と言われたりする。
しかし、これからはじめてスポーツサイクルを買おうという人にとっては、「シマノだから良い」と言われても、ピンと来ないのです。比較対象がありません。しかも実際には、スラムを始めとする他社コンポを採用した自転車はたくさんありますし、どれもちゃんと自転車として問題なく機能しているのです。
でも、確かにシマノの良さがあります。そしていわゆる「フルシマノ」、シマノ製パーツで固めることの良さもあります。
それを、自転車の達人にわかりやすくひもといてもらおうというのが、今回BRI-CHANに掲載した記事の趣旨です。
関連記事: 自転車の達人に聞いてみた!「フルシマノってどういう意味? 何が良いの?」 – BRI-CHAN
登場していただいたのは、ロード全日本選手権を制して五輪出場経験があり、かつビギナーの気持ちもわかる達人、リンケージサイクリングの田代恭崇(たしろ・やすたか)さんです。ぜひごらんください。
こちらでひとつ書き加えるとすれば、これから初めてのスポーツ自転車としてクロスバイクを買う人にとっては「フルシマノ」も、製品に抱くストーリーのひとつと言えるのではないでしょうか。
残念ながらクロスバイクはクルマと違って、いろいろなメーカーの車種を乗り比べてから買うことはできません。モノが持っているストーリーと、ショップの接客を信じて買うしかありません。その視点で「フルシマノだからいいよ!」というフレーズの意味を考えると、それは「信じて損のない、裏切らないストーリー」だと思うのです。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。