先日も紹介したように、ブリヂストンサイクルが、内装5段変速とカーボンベルトドライブを採用したクロスバイクの新製品「ordina S5B(オルディナ・S5B)」を発表ました。
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クロスバイクを名乗っていますが、同じブリヂストンサイクルの「CYLVA F24(シルヴァ・F24)」や、例えばGIANTのESCAPE R3(エスケープR3)、TREKの7.4FXといったクロスバイクと比べると、ordina S5Bの立ち位置は少し異なっています。
クロスバイクは以前から、「ロードバイクとMTBの良いとこ取り」と表現されてきました。クロスバイクというジャンルが出現してからだいぶ年月も経ち、今では独自の進化を遂げていますが、ロードバイクの軽快感に街乗りで必要な安定感をプラスしているという点では、不変です。
ではordina S5Bはどうかというと、他のクロスバイクにはあまり見られない特徴があります。
チェーンではなく、カーボンベルトドライブを採用。
内装変速とローラーブレーキ。
サークル錠もはじめから付いています。
そしてタイヤは700Cではなく、27型(27×1-8/3)です。バルブも英式。
つまり、クロスバイクとシティサイクルの良いとこ取りなんです。
スポーツサイクル的な視点で見ると、外装変速ではないしリアはVブレーキではないので、タイヤ交換等のメンテナンスがしにくいという印象になります。
しかしシティサイクル的な視点では、それまで乗っていたシティサイクルと同じような感覚で使うことができるクロスバイクということになります。ギアがうるさい音を立てることもないし、油汚れとも無縁です。家にある空気入れがフレンチバルブに対応していないものであっても、問題ありません。
そして実際に乗ってみると、その走りにはクロスバイクらしさをちゃんと感じます。通勤や通学などがメインで「とくに趣味性を求めない、普段使いするちょっとスポーティな自転車」って、こういうので良いのかも、と思わせてくれます。
もちろん、この「シティサイクル寄りのクロスバイク」はすでにいくつか存在していますが、初めからフル装備すぎて重たいとか、量販系のプライベートでちょっと貧相……といったものが多いのが現状でした。その点ordina S5Bは、標準状態で14kg台の重量と5万円台の価格で、バランスに優れているのではないでしょうか。
他メーカーの製品ですと、ミヤタの「EXクロス プレミアム」が同じジャンルです(装備が充実していてやや高級志向ですが)。
リンク: ミヤタ EXクロス プレミアム
このシティサイクル寄りのクロスバイクは、街の自転車店が主な販路となり、量販店では高級モデルという位置付けになるでしょうから、スポーツサイクルとはあまり競合しないかもしれません。
ブリヂストン「ordina S5B」の詳細は、姉妹サイトの「BRI-CHAN(ブリチャン)」でも紹介しています。
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(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。