週末に科学技術館にて開催された「2016ハンドメイドバイシクル展」に行ってきました。今回紹介するのは東洋フレーム(TOYO)。グラファイトデザインと共同開発したカーボンチューブを使ったクロモリ/カーボンハイブリッドフレームを出展していました。
TOYOのフラッグシップモデルとなるのが、クロモリ/カーボンハイブリッドフレームの「HYBRID ROAD」です。
トップチューブとダウンチューブに、カーボンが使われています。このカーボンチューブは、東洋フレームとグラファイトデザインの共同開発。
リア三角はクロモリです。スチールフレームらしい芯のある乗り味と、軽さを両立しているとのこと。
下ワン1.5″のテーパーヘッドで、フロント剛性を確保しています。
トップチューブ/シートチューブ/シートステー接合部の様子です。
フレームセットの価格は、370,000円(税別)です。
TOYOが40年間で培ってきた素材選別と溶接の技術に関わるノウハウを集結し、クロモリとカーボンの相性を極限まで突き詰めたのがこのハイブリッドロードです。
そしてもう1台は、チタン/カーボンのハイブリッドフレーム「T-Carbon ROAD」。
こちらは、「HYBRID ROAD」のノウハウを活かしながら、トップチューブのみをカーボンとしています。
「HYBRID ROAD」よりもさらにクロモリに近い乗り味で、レーサーというよりも万能なバイクを目指しているとのこと。
フレームセットの価格は260,000円(税別)です。
フラッグシップモデルであるHYBRID ROADからのフィードバックを受けて開発された、セカンドグレードモデルです。
リンク: T-Carbon ROAD – TOYO FRAME
どちらのフレームも、カーボン/クロモリともに差し替え修理が可能とのことです。
さて、この2種類のモデルにカーボンチューブを供給しているグラファイトデザインは、2016年2月末で自社ブランドの自転車事業を終了すると発表。今後は他社への技術供給等で自転車関連事業を続けていくことになります。
TOYOの「HYBRID ROAD」と「T-Carbon ROAD」は、グラファイトデザインの自転車関連事業が生き残る、数少ない道のひとつということになりそうです。
情報源: 弊社サイクル事業休止に関するお知らせ | GRAPHITE DESIGN || グラファイトデザインサイクルスポーツ
ちなみに東洋フレームのほうは、現在「オンワード樫山」傘下となっています。同じくオンワード樫山傘下となっている「サクラ」が展開していたブランド「the PARK」も、現在は東洋フレームがプロデュース……と謳われています。
the PARKの電動アシストスポーツ車も、東洋フレームブースに置かれていました。
そのうち、グラファイトデザインのカーボンチューブを使った電動アシスト自転車が発表される——なんてことも、あるかもしれません(妄想です)。
リンク: TOYO FRAME
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。