自転車ライトに関する記事が続いていますが、第3弾として、各都道府県の自転車ライトについての違いを見ていきましょう。
前回は、各都道府県が自転車のライトについてどんなふうに定められているのか調べてみました。そちらでは単純に前照灯の色と明るさ、尾灯の色と明るさを根拠条文とともにまとめています。
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その前段階として、法律面での決まりごとやJIS規格について簡単に紹介した記事が、こちらです。
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今回は、各都道府県の違いを簡単にまとめてみます。
■前照灯の色
前照灯の色に関しては「白色または淡黄色」で統一されているようです。
■前照灯の明るさ
ほとんどの地域で「夜間、前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる」ことを求めています。しかし、そうではない地域もあります。
・「夜間、前方5メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる」としている県
山形県、神奈川県、静岡県
5メートルと10メートルって、結構違いますよね。
■発電装置による前照灯について
発電装置による前照灯の光軸について定めている県があります。
・福島県
前照燈のうち自転車に設ける発電装置によるものにあつては、照射光線の方向を下向きにし、その主光軸は、前方10メートルの地点を超えないものとする。
・神奈川県
発電装置のものにあつては、照射方向が下向きで、かつ、その主光軸の地面における照射点が前方5メートルをこえてはならないこと。
・山形県
自転車に設ける発電装置のものにあつては、照射光線の方向が下向きで、その主光軸が、前方10メートルの地点を超えないものとする。
・静岡県
前照灯のうち発電装置のものにあつては、その主光軸の地面における照射点が前方10メートルをこえないよう、下向きにしなければならない。
・滋賀県
自転車に設ける発電装置式のものにあつては、その主光軸は、前方15メートルにおいて、地面からの高さが0.5メートルを超えないものとする。
■尾灯の色
いちばん多いのは「橙色(とうしょく)または赤色」。橙色を「だいだい色」と記載しているところもあります。これらに当てはまらないのは、下記の地域です。「燈色」って、何色でしょう。「燈」に「橙」の意味はありませんが……。
・尾灯の色は「赤色」としている地域
東京都、神奈川県、山梨県、静岡県
・尾灯の色は「燈色または赤色」としている地域
島根県、佐賀県、熊本県
■尾灯の明るさ
いちばん多いのは「夜間、後方100メートルの距離から点灯を確認することができる」としているものですが、当てはまらない地域もあります。
・尾灯の明るさを「夜間後方50メートルの距離から点灯を確認することができる」としている地域
山梨県、静岡県
このように、意外とバラついているのです。
埼玉県では、橙色の尾灯が認められていますが、東京都では認められていません。
神奈川県では、前照灯は5メートル前方の障害物が見えればよいのですが、隣の東京都では10メートルが要求されます。
一方で、神奈川県では発電装置による前照灯を使う場合、その主光軸は前方5mを超えてはいけません。隣の静岡県では前方10メートルを超えなければ大丈夫です。これは、低い位置に取り付けられるダイナモランプを上向きにしないようにという意図があると思われますが、ハブダイナモ用のライトをハンドルに取り付けるケースもありますし、主光軸は前方5mを超えてはならないというのは、さすがに時代にそぐわないと感じます。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。
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