自転車用のヘルメット、それもオンロード用の製品というと、レースで使えるロードバイク向けのもの、ビギナー向けのもの、そして街乗り向けのものとで、それぞれ壁があったように思います。
大ざっぱに言えば、レース用は(後頭部が物理的に)尖ったデザイン、ビギナー向けはどことなく安っぽく、街乗り向けはお椀っぽい……といったようなイメージです。しかし近年、それらの間をつなぐような、シンプルでカッコよく、ひとつで多用途に対応するヘルメットも出始めています。
例えばGIROの「ASPECT」(JCF公認ではないですが)や、KOOFUの「BC−Glosbe」といったあたりです。
そして、SPECIALIZEDが2016年モデルで新たに投入したヘルメット「AIRNET」も、そんな製品のひとつ。
リンク: SPECIALIZED AIRNET
商品の説明には次のように書かれています。
すっきりしてシンプルなAirnetヘルメットは、冒険とカッコいい見た目の両方を求めるライダーのために、機能性と高性能を理想的にブレンド。
スペシャライズドのヘルメットというと「S-WORKS PREVAIL」に代表されるような独特なフォルムが思い起こされます。これはこれでカッコいいのですが、もっとシックなもの、シンプルなものを求めている人も多いのではないでしょうか。
その点AIRNETは、まさにちょうどいい感じです。
造形としては、前から見ると通気孔の形状にS-WORKS PREVAILの面影が少し見受けられます。
そして後ろから見ると……
同社のエアロヘルメット「S-WORKS EVADE」を彷彿とさせます。そう、このAIRNET、エアロ性能も高いヘルメットなんです。
ひとつ面白い工夫があって、ヘルメットのフロントとリアに「ベントグリッパー」なるものが付いています。おでこの上の位置にくる横長の通気孔、そこから後方へと流れていくラインの途中に、ギザギザのパッドがあるの、見えますか?
これ、アイウェアを引っ掛けるところだそうです。ヘルメットにアイウェアを引っかけてもすぐ落としてしまう、自分のようなうっかりした者にはぴったりな装備です(笑)
サイズは、アジアンフィットでS/MサイズとL/XLサイズの2種類。重量は300g弱(S/Mサイズ)、価格は19,800円(税込)となっています。スペシャライズドの公式オンラインストアでも購入可能です。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。