2016年モデルのロードバイクの中から、ビギナーの最初の1台としてアルミフレームのモデル、それもエントリーグレードよりはちょっと上のもの、価格帯でいうと15万円〜20万円たりのものを15台ピックアップしてみました。
これからロードバイクを始めたいと思っているビギナー・初心者の多くにとって、ロードバイク本体に15万円程度というのは、エントリーグレードよりはワンランク良いもので、かといって高級モデルというわけでもなく、現実的なラインではないでしょうか。比較的扱いやすいモデルも揃っているのでオススメです。
[2016年10月14日追記]
関連記事: 2017年モデル版:10万〜15万〜20万円クラスのロードバイクを20台ピックアップしてみた – CyclingEX
2017年モデルを、アルミに限らず紹介しています。
[2017年3月16日追記]
関連タグ: アルミロードバイク2017 – CyclingEX
2017年モデルのアルミロードバイクについての情報は、こちらのタグにまとまっています。
[2017年3月30日追記]
2017年モデル版です。
関連記事: [2017年モデル版]15万〜20万円クラスのアルミロードバイクをピックアップ – CyclingEX
ちなみに、アルミフレームの特徴や、スチールやカーボンといった他の素材との違いについては、過去のPR記事で恐縮ですが、下記リンク先を参考にしてください(一般論です)。
アルミフレームはスチールよりも軽くなるので、一時期はレース用フレームの主流でした。今では入門〜中級グレードのロードバイクでよく使われています。アルミフレームは「硬い」と言われます。アルミ自体は柔らかい金属です。柔らかいと同時に、変形し続けると壊れてしまう金属でもあります。
リンク: 【PR】プロショップで始めるロードバイクライフ:素材と乗り味の関係 | CyclingEX
では、15台、いってみよう!
■レーシングモデル
どちらかというとレースや本格的なスポーツライドに向いたロードバイクです。
●ANCHOR RS6 SPORT(税別170,000円)
日本を代表する自転車メーカーであるブリヂストンサイクル。同社のレーシングブランドが「ANCHOR(アンカー)」です。
この「RS6 SPORT」は、ブリヂストングループの解析・シミュレーション技術も使いながらフレームの設計を最適化、ライダーの力を無駄にすることなく推進力に変えてくれるRS6シリーズの、シマノ・ティアグラ完成車(リア10速)。
リア11速のシマノ・105完成車(RS6 EQUIPE)や、フレームセットでの販売などもあります。
メーカーリンク: ブリヂストンのスポーツバイク アンカー|anchor
●CANONDALE CAAD12 105(税別210,000円)
今でこそカーボンフレームが主流のCANNONDALE(キャノンデール)ですが、アルミと言えばキャノンデール、キャノンデールと言えばアルミ——などと表現されることが多いのはなぜでしょうか。
おそらく、メジャーなメーカーがほとんどカーボンフレームをトップグレードに据えてからもアルミフレームにこだわり、そしてキャノンデール自身がカーボンフレームを出してからも、アルミフレームの「CAAD」シリーズの火を消さなかったからでしょう。
そんなCAADシリーズの最新作「CAAD 12」は、より軽くてスムーズなフレームに進化。アルミフレームながら、剛性を犠牲にせずショック吸収性能を高める工夫が詰め込まれているのも、キャノンデールらしいところです。
メーカーリンク: キャノンデール CAAD12 スペシャルコンテンツ
●SPECIALIZED ALLEZ DSW SL COMP(税込189,000円→価格改定:税込150,000円)
SPECIALIZED(スペシャライズド)のアルミレーシングバイクです。高品質なアルミ素材を用いるのは当然のこととして、フレームの構造や溶接方法を徹底的にブラッシュアップすることで、軽くて強靭なアルミロードバイクが出来上がりました。
スペシャライズドと言えば、ハンドルやサドルなど様々なパーツ&アクセサリーを世に送り出していうことでも知られています。このALLEZ DSW SL COMPも、人間工学に基づいたハンドルやサドル、そしてオリジナルのタイヤなど、スペシャライズド製品でバッチリ固められています。
メーカーリンク: スペシャライズド・ジャパン
●FELT F75(税別158,000円)
派手さはないけれど、堅実な製品を送り出している印象のある「FELT(フェルト)」。
このアルミロードバイク「F75」は、カーボンフレームを採用する上位モデルの設計思想はそのままに、高剛性な7005アルミ素材を使用、そしてその素材のメリットを引き出すことで、軽快なレーサーとなっています。フロントフォークはカーボンです(当初カーボンモノコックフォークと記載していましたが、訂正します)。
ねじ切りのBBや27.2mmのシートポストといったスペックは、地味ながらありがたいところ。
メーカーリンク: FELT公式サイト | フェルト ロードバイク
●GIANT TCR SLR 1(税別245,000円)
今回紹介する中では、税込25万円オーバーの高級モデル。GIANT(ジャイアント)の「TCR SLR 1」です。
アルミフレームのTCRと言えば、ジャイアントのロードバイクの中でも歴史あるモデル。今ではカーボンのTCRが主流なのは当然ですが、アルミモデルもエントリーグレードとしてしっかり残っています。そんなアルミTCRが、近年再び進化。ジャイアントが持つアルミの成形技術が、極薄の軽量チューブを用いたエアロデザインを実現しました。
この「TCR SLR 1」はシマノ・アルテグラ完成車ですが、シマノ・105完成車の「2」もあります。そちらは税別180,000円です。
メーカーリンク: ジャイアント
●COLNAGO STRADA 105(税別210,000円)
イタリアの人気ブランド、COLNAGO(コルナゴ)。近年はエントリー〜ミドルグレードが充実しています。
この「STRADA」は、角断面チューブによる無骨なスタイルが特徴のロードレーサー。フレームのジオメトリーはコルナゴの他のレースバイクを踏襲しているので、上位モデルユーザーのセカンドバイクとしても良いのでは。レース向けではあるものの、コルナゴらしくヘッドチューブは長めで、他メーカーのレーサーに比べればオールラウンド寄り。サイズ設定は8種類と多めなのも、コルナゴならではと言えるでしょう。
フレームセットで税別170,000円なので、105完成車はお得!?
メーカーリンク: コルナゴ – COLNAGO
●BMC teammachine ALR01(税別210,000円)
ロードレースにおける「BMCレーシングチーム」の活躍や、最近だと何某ペダルの小野田何某君も駆ることで知られるBMC。
そんなBMCのロードレーサーの中ではもっとも安価で、唯一のアルミフレームモデル(他にエンデュランス系ディスクロードにアルミモデルが有り)。中位モデルのカーボンバイク「teammachine SLR03」の設計を受け継いでいて、フロントフォークもSLR03と共通のフルカーボンとなっています。
価格は105完成車で税別210,000円ですが、アルテグラ完成車が税別260,000円、ティアグラ完成車が税別194,000円、ソラ完成車が税別170,000円となっています。
メーカーリンク: BMC Switzerland | BMCオフィシャルサイト
●TREK Émonda ALR 5(税込199,000円)
アメリカの大手メーカー「TREK(トレック)」の「Émonda(エモンダ)」といえば、カーボンの超軽量バイクを想像する人が多いと思いますが、実際にはカーボンやアルミのミドルグレードまで、幅広く展開されています。
ここで紹介するのは、もちろんアルミモデル。トレックが使用するアルミ素材としては最上級・最軽量のものが使われており、エモンダを名乗るにふさわしいもの。パッと見た感じの派手さこそないものの、仕上げも上質感があります。
レース向けのほうに入れましたが、フレームのジオメトリー自体は比較的上体が起きたポジションが取りやすいものです。
なお、フレームセットが税込129,000円となっています。
メーカーリンク: アメリカNo.1のスポーツ自転車総合ブランド「トレック」
●BIANCHI Fenice Elite Shimano105 11sp(税別200,000円)
イタリアンブランド「BIANCH(ビアンキ)」のアルミロード「Fenice(フェニーチェ)」は、2015年モデルではスカンジウムを使用したものだけでしたが、2016年モデルでは素材のバリエーションを増やしてお求めやすいモデルを設定しています。
具体的には、そのアルミ素材のグレードによってPro(スカンジウム合金)/Elite(7046アルミ)/Sport(6061アルミ)——の3種類に分かれています。ここでは真ん中の「Fenice Elite Shimano105 11sp」をピックアップ。メインコンポーネントはリア11速のシマノ・105、ホイールはシマノ・WH-RS010です。
メーカーリンク: CYCLEUROPE JAPAN | Bianchi
■エンデュランス系モデル
レース向けモデルに比べると上体が起きた乗車姿勢で、ロングライドに向いたモデルです。
●GIANT DEFY 1(税別145,000円)
DEFYシリーズはTCRシリーズと比べるとトップチューブが短くて、ヘッドチューブは長くとってあります。また「DEFY 1」と、ひとつ下のグレードの「DEFY 2」は、シートポストがカーボン製でD型の断面をした「D-FUSEカーボンピラー」を採用しています。D型形状にすることでしなりが出て、快適性が向上するとのこと。
また、DEFY 1(とDEFY2)は、下位グレードの「3」と「4」よりもフレーム素材がワンランク上のアルミとなっているのもポイントです。
メーカーリンク: ジャイアント
●GARNEAU AXIS SL2(税別168,000円)
GARNEAU(ガノー)のロングライド向けモデル。上体が起きたポジションが取りやすい設計になっているのはもちろん、ホイールベースが長めに取られていて、安定性に優れたロードバイクです。
フレームの後部、シートステーと呼ばれるところが湾曲していますが、これはリアのショック吸収性を高めるためのものです。
メーカーリンク: GARNEAU 2015 collection
●MERIDA RIDE 400(税別145,000円)
MERIDA(メリダ)は台湾の大手ブランドですが、スポーツバイクの開発はヨーロッパが中心となっています。RIDE 400はロングライド向け入門〜中級モデルで、今回ピックアップしている15台の中では、GIANT DEFY 1と並んで安価なロードバイクです。
メインコンポーネントは、リア11速のシマノ・105。面白いのはホイールで、Fulcrum(フルクラム)の完成車向け製品が採用されています。この価格帯の完成車なので過剰な期待はできませんが、フルクラムのロゴが入っているだけで、なんだか得した気分!?
メーカーリンク: メリダ -MERIDA-
●COLNAGO CX ZERO ALU 105(税別205,000円)
レース向けモデルのところで、コルナゴのストラーダを載せています。ストラーダ自体、レーサーとしては万能性があるほうなのですが、こちらの「CX ZERO ALU」は、はっきりとロングライド、エンデュランス向けとした製品。
ヘッドチューブはより長くなっていますし、チェーンステーを湾曲させることで、アルミフレームでもショック吸収性が確保できるようにしています。
メーカーリンク: コルナゴ – COLNAGO
●SCOTT SPEEDSTER 10(税別195,000円)
SCOTT(スコット)のSPEEDSTER(スピードスター)シリーズは、バリバリのレーサーというわけではないので今回エンデュランス系のほうに入れてみたのですが、コルナゴ・ストラーダやトレック・エモンダALR同様、万能系といったところでしょうか。それでも、一般的なレーサーよりはヘッドチューブが長めに取られていますし、装着されているギアも軽めのものです。
また、低速域でも空気抵抗が少なくなるように、大げさにならない範囲でエアロデザインとしてあるのが特徴。軽さをウリにしたアルミフレームが多い中では、どちらかというと質実剛健なイメージです。
メーカーリンク: SCOTT JAPAN
●TREK Domane 2.3(税込199,000円)
フルカーボンのDomane(ドマーネ)同様、シートチューブとトップチューブを独立させることでシートステーをしならせて、ショック吸収性を高める「IsoSpeedテクノロジー」を搭載しています。また、安定性もエモンダより高め。乗り心地が良く、ビギナーでも安心して乗ることができるロードバイクです。
手への衝撃を和らげる素材を使ったバーテープや、穴あきのサドルなど、使用されるパーツも快適性にこだわっています。
メーカーリンク: アメリカNo.1のスポーツ自転車総合ブランド「トレック」
以上、アルミフレームのちょっといいロードバイク、15台を駆け足で紹介しました。もしイベントやショップ等でロードバイクに試乗できる機会があったら、アルミ/カーボン/スチールの乗り比べも、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
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(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。