遊休スペースを活用して駐輪場「PEDALest(ペダレスト)」を展開している株式会社自転車創業は、室内型駐輪スペース「PEDALRest西新宿」にスマートロックとスマートセキュリティを導入し、24時間運営の室内駐輪場の運営管理・セキュリティをスマートに実現しました。
PEDALRest( ペダレスト ):自転車撤去、さようなら.
PEDALRestの駐輪場には、ビルの片隅などにある屋外や半屋外の遊休スペースを活用したものと、空き物件を活用した室内型とがあります。今回は、室内型の話です。
2014年10月にオープンした「PEDALRest西新宿」は、都営大江戸線西新宿駅近くにある室内型駐輪スペース。
ロードバイクで通勤したい人にぴったりの施設です。
このPEDALRest西新宿は月極利用者がメインで、24時間利用可能なので残業で日付が変わってしまうようなときでも安心です。ただし、昼間は(運営会社のオフィスを兼ねているため)有人ですが、深夜〜早朝時間帯は無人となります。
従来は利用者にカギを渡していましたが、今後さらに室内型の物件が増えた場合、カギによる管理には自ずと限界が見えてきます。一方で、大手セキュリティ会社のサービスを新規導入するとなると、そのコストが駐輪スペース利用者の料金にそのまま跳ね返ってしまいます。
そこで導入されたのが、スマートロック「Akerun」。
既存のドアに後付けできるスマートロックロボットです。スマートフォンとBluetoothで接続、専用アプリの画面からカギを開けたり閉めたりすることが可能です。
運営側がカギを開けることが可能なユーザーを設定するので、権限を持たない人は中に入ることができません。また、カギを開けることができる日付や時間帯もを指定すれば「特定日の特定時間帯だけ利用してもらう」といったケースにも対応できます。
ドアの内側に、こんなふうに取り付けられていました。
表側には通常のカギ穴が残るので、スマートフォンを持たないユーザーに対しては既存のカギで対応することもできるでしょう。
なお、入退室にあたってはログが残ります。
そしてもうひとつの「スマートセキュリティ」。これは「Safie」というサービスを利用しています。
Safie│セーフィー│カメラとスマホのホームセキュリティ.
PEDALRest西新宿にもカメラが設置されました。このままでは、ふつうの防犯カメラですが。
録画された画像はWi-Fi経由でクラウドにアップされ、管理する側はそれをパソコンやスマートフォンでリアルタイムにことができます。しかも、静止画のコマ送りではなく、音声付きの動画で……です。
「人の動きがあった」「大きな音がした」といったこともグラフィカルにわかるようになっていて、スマートフォンでタップするだけでそのときの動画を再生可能です。
複数のカメラを次々切り替えることもできます。また、リアルタイムの動画を見ていて何か心配なことがあれば、スマートフォンからカメラに向かって話しかけることも可能です。
スマートロック「Akerun」とスマートセキュリティ「Safie」の組み合わせは、家庭や中小の事業者でも低コストで容易に導入でき、かつ使い勝手にも優れるセキュリティシステムとして機能します。PEDALRestのように、「あちらこちらの遊休地に駐輪スペースを作って自転車の利用環境を便利にしたい」と考えている企業にとっても、まさにぴったりだったのです。
個人的には、埼玉のほうに良くある「自転車預かり所」の近代版を見ているような気分になりました。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。