産経デジタル「Cyclist」に『違法駐車を排除せよ! 国道246号に整備された「自転車ナビライン」で実走評価会を開催』という記事が掲載されました。
違法駐車を排除せよ! 国道246号に整備された「自転車ナビライン」で実走評価会を開催 – cyclist.
国道246号駒沢大学駅前付近に整備された、バスレーン上(とは言うものの1日の大半はただの第一通行帯)の自転車ナビラインについて、NPO法人「自転車活用推進研究会」(自活研)がサイクリストによる実証検証を行ったことについてのレポート記事です。
この自転車ナビラインについては、こちらで簡単にではありますが紹介しています。
駒沢大学駅付近R246上のバスレーンに設置された自転車ナビライン | CyclingEX.
さて、Cyclistの記事ですが、
しかし、それを分断する違法駐車車両が次々にレーンを塞いでいた。慢性的に交通量が多いこの道路での違法駐車は、渋滞を誘発し、自転車だけでなくすべての交通の妨げになる“諸悪の根源”でもある。今回の自転車通行空間整備を機に、違法駐車の取締りを徹底するなど、撲滅に向けてのアクションが望まれる。
引用元: 違法駐車を排除せよ! 国道246号に整備された「自転車ナビライン」で実走評価会を開催 – cyclist.
違法駐車。
確かに当該路線は駐車禁止なので、駐車している車両はすなわち違反車両です。
第一通行帯で昼寝している人もいます。そういうのは撲滅されるべきでしょう。
でも、第一通行帯に停まっているクルマのすべてが駐車違反を犯しているのかというと、そうでもありません。
この写真では第一通行帯にシルバーのハイゼットカーゴが停まっていますが、これは荷卸し中でした。
停車するとき、クルマは道路の左側端に沿う必要があります。そこに自転車ナビラインや自転車専用通行帯があったとしても、です(道路交通法第四十七条。“左側端”について、自転車ナビラインや自転車専用通行帯上を除外するような規定は見当たりません)。
例えば宅配業者がマンションに荷物を届けるにしても、届ける個数や戸数が多ければ、5分を超えてしまい「停車」の範疇に収まらなくなってしまうかもしれません。
『違法駐車の取締りを徹底するなど、撲滅に向けてのアクションが望まれる。』
そらそうですよね。
でもこの国道246号沿線には商店がたくさんあります。道路に面してマンションも建ってます。多くの駐停車需要を受け入れられるだけの駐車場をどこかに作るとしたら……いったい何軒立ち退けば良いのでしょう。
実際にたくさんの人が住んでたくさんの人が経済活動をしているのです。まったくクルマを使わない生活など無理な場所です。
NPO法人自転車活用推進研究会さま。産経デジタルCyclist編集部さま。
駐車違反を犯すクルマを排除する必要があるのは、まったくそのとおりです。しかし駐停車の需要があることもまた、事実です。
駐車も停車も関係なく、自転車ナビライン上に止められているクルマは「違法」なのでしょうか。「諸悪の根源」なのでしょうか。
この状況における『諸悪の根源』とは、何でしょうか? 本当に駐車違反が『諸悪の根源』なのですか?
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。