先日ふと、東京都が「東京都自転車安全利用推進計画」において、自転車のウインカーランプについて言及していることを思い出しました。
自転車製造事業者等は、電池の高性能化やLED電球による省電力化等を踏まえ、 ウインカー、テールランプ、オートライト、サイドミラー等の自転車の安全利用に 役立つ器具を備えた自転車の開発や普及を図ります。
自転車でウインカーといえば、昔のジュニアスポーツ車を思い出します。
また、2011年に後部ウインカー付きの自転車を発売した企業がありましたが、すでに販売は終了しているようです。
ウインカー装備の街乗り自転車「ジェントルギア」 | CyclingEX.
もちろん、街乗りにおいては自転車にもウインカーがあったら便利だろうと思うことはあります。ただ、自転車の安全装備を考える上で優先順位が高いかと考えると、ちょっと疑問です。
個人的には、ウインカーランプよりもポジションランプが欲しいなぁと思います。
バイク(モーターサイクル)の世界には、ウインカーポジションランプというものがあります。私がヤマハのディバージョン400というマイナーなバイクに乗っていた頃、私のディバージョンにはなくて友人のホンダ・ブロス P2にあったのが、ウインカーポジションランプでした。
左右のウインカーが常点灯して、ポジションランプとして機能するものです。もちろん、ウインカースイッチを操作すれば、操作した側が点滅します。ホンダの場合、日本国内向けの中型以上のバイクは、今でもコレが装備されているはずです。
ただ、このウインカーランプをポジションランプとして用いる方法、モーターサイクルジャーナリストの柏秀樹さんによると、日本独自のものらしいです。
で、今回はウインカーポジションランプ。日本だけではなく、世界中のバイクがこの方式になって欲しい。これは一部の日本製バイクがやっていたし、今でもちゃんとセットされているバイクがある。CB400SF、CB1300SF、CB1100、VFR1200Fなどだ。フロントウインカーがヘッドライトとともに常時点灯するのだ。左右に曲がるときにウインカースイッチをオンにすると片方が点滅する方式になっていて、基本的に外国製輸入車や日本製輸入車はこれがセットされていない。この方式は日本国内のローカルルールであり、しかも義務でもないのだ。私の記憶が正しければ日本製ではホンダが250cc以上のバイクを原則としてちゃんとこれを装備している。他社は以前にやっていたが今は装備していないものが多い。
引用元: ウインカーポジションランプ – 柏 秀樹 OFFICIAL BLOG.
しかし、このポジションランプは車幅がわかりやすくて、夜間に後方から見た時などに視認しやすいというメリットがあると思います。
CB400 SUPER FOUR / CB400 SUPER BOL D’OR | Honda.
柏さんもこのように書かれていました。
また、ウインカーポジションランプは左右離れてセットされているために対向車などから大きく見えるというメリットもある。たとえばゴールドウイングとかVFR1200Fほか最近はあまり見なくなったアフリカツインなどはかなり目立つ位置(ウインカーの左右の間隔が広くて高い位置!)にウインカーポジションランプがセットされているので、周囲が見落としにくい。安全性を高めるためになくてはならない装備だと思う。
自転車でも同じことが言えると思うのです。スポーツサイクルではシートポストやサドルバッグにテールライトを取り付けている人が多いですが、中央付近に1点だけだと、これが思いのほか目立たないのです。最近になって私は、シートポストだけではなく、右側のシートステーにもテールライトを取り付けるようになりました。
フロントに関しては、私は明るいメインのヘッドライトと、前照灯とてはギリギリな感じの小型のものを同時に装着しているので、だいぶ目立つほうだとは思っています。ただ、ハンドルの外側にポジションランプ的なものが取り付けられれば、もっと目立つのではないかとも思います。フラットハンドルのグリップエンドやドロップハンドルのバーエンドに取り付ける製品が、もうちょっとあっても良さそうです。
ドロップハンドルのバーエンドに取り付けるものとしては、後方に向けて赤く光るセーフティライトはいくつかありました。
こちらはDIXNA製品。
ちなみに、grungeブランドからフラットハンドルバー用も出ています。取り扱いはともに東京サンエス。
TACXからは前後が点灯する製品が出ていますが、いつでも入手できるような感じではなさそうです(また、Amazonのレビューも賛否両論ありました)。
Lumos バイシクルライト
引用元: INTERMAX|2014|Tacx.
今のところ、グリップエンドやバーエンドに取り付けるという製品はベターな選択肢だと思われますが、もうちょっと選択肢が増えるとうれしいですね。もちろん、そのためにはマーケットが広がらないといけないわけですが。
また、ポジションランプ付きのSTIレバーなんていうのも、あっても良いのではないでしょうか。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。
自転車の場合、左右の二の腕に再帰反射バンドを巻き付けるのが最も効果的だと思います。ちょっとダサいかもしれませんが。