【ROCKBIKES × CyclingEX タイアップコンテンツ】
「ROCKBIKES(ロックバイクス)」という自転車ブランドをご存知ですか。海外有名ブランドの輸入や日本専売モデルの企画を手がけていた人物が、もっと自分たちの意志を反映させた自転車を作りたいと考え、会社を飛び出してたった2人で立ち上げた新しいブランドです。彼らの開発する自転車はストリートに特化しており、かなり思い切った設計となっているのが特徴。今回は、そんなROCKBIKESのスタッフにインタビューをしつつ、人気クロモリロード「ENVY」を紹介したいと思います。
一般的なクロモリチューブよりも1サイズ細いチューブとホリゾンタルの設計による、繊細なスタイリング。しかしよく観察すれば、アヘッドの採用やSTIレバーなど、細部は現代的。そしてマットカラーのフレームにブラックで統一されたパーツ、ダウンチューブに入る「ROCKBIKES」のロゴなどが醸し出す、男臭い雰囲気……ROCKBIKESの人気クロモリロード「ENVY」は、他のクラシカルなクロモリロードとは一線を画する存在です。
そんなROCKBIKESを企画・開発・販売している株式会社NYCは、大阪狭山市に本拠を構えています。のどかな風景の中にある倉庫兼オフィスをたずね、NYC代表でROCKBIKESの開発を手がける西山直人さんにお話を伺いました。
冒頭に書いたように、ROCKBIKESを立ち上げる前は自転車ディストリビューターに勤務し、海外有名ブランドの輸入や日本専売モデルの企画を手がけていた西山さん。独立して自身でROCKBIKESを立ち上げるに至った経緯を伺いました。
「独立する前は、アメリカの有名ブランドが日本市場向けに販売するモデルの、企画やデザインを手がけていました。ピストブームのときに、より日本の市場、日本のシーンに合ったものを——ということで、カラーやロゴを変更したりといったところから始まり、次第にストリート色の強いモデルを増やしていきました。おかげさまで販売が好調で、本国からも認めてもらい、日本企画のモデルが他のアジア諸国でも販売されるようになったんです。ストリートモデルはこれからもっと伸びるだろうという、確信めいた想いがありました」
しかし、一方で苦労や疑問もあったと言います。
「本国のブランドホルダーの意向は大事ですから、当然、日本でやりたいことが全部できるわけではありません。また、日本で企画した製品が認められても、サラリーマンとしての自分の給料にどれだけ反映されるのかという問題もあります(笑) 自分たちの本当の想いをカタチにしたいという願望が日に日に強くなり、独立することになったのです」
そうして西山さんは、同僚だった吉江章光さんを引き連れ、2012年に独立してROCKBIKESを立ち上げました。それにしても、ROCKBIKESとはずいぶんストレートなネーミングですね(笑)
「個人的には、乗り物趣味はやっぱり“男の趣味”だと思うんです。それは自転車も同じで。だから、男臭い感じにしようと考えました。そして、自分自身がロックが好きなんです。ガイコツとか、薔薇の花とか、そういうわかりやすい“ロックっぽさ”も好き。だから“ROCKBIKES”と名付けました。わかりにくいものはやりたくなかったので、ロゴにはいかにもという感じの☆のマークを入れています。ともするとダサいかもしれませんが(笑)、そこも狙い。世の中には“ロック”と名がつくと気になる人がいるんです。自分も、そのひとたちの気持ちがわかる」
西山さんが、サンプルの「ENVY」を見せてくれました。
「クロモリフレームのロードバイク“ENVY”は、最初に出会ったそのときから見る人の心を掴みたいと思い、細くてホリゾンタル(※)のシルエットにこだわりました。トップチューブは25.4mm、ダウンチューブは28.6mmと細いチューブを用いています。細いので剛性面では不利ですし、そもそも剛性を目指してはいません。それでも、バテットチューブを使い溶接部分は肉厚として、しっかり走るようにコントロールしています」
※いちばん小さいサイズのみ、スローピングフレーム。
最近のクロモリロードは、のんびり走る自転車というイメージがあるかもしれません。このENVYも、西山さんの「そもそも剛性を目指してはいません」という言葉を聞くと、そんな類いの自転車なのだろうかとも想像しがちです。しかし実際には、ストリートに特化したフレーム設計になっています。
「ハンドル位置はかなり低めになっています。そして、リアセンターは短めで、ヘッドアングルは立て気味。ですから、ハンドリングはクイックなものとなっています。街中を駆け抜けてほしいという想いと、横から見たときのきれいなスタイリングを両立させた設計です」
安定感が欲しい、ロングツーリングに行きたいといった用途なら他をあたってください——そんな割り切った考えが、ROCKBIKESらしさでもあります。
しかし、いちど聞いただけでは乗り手を突き放したようにすら思えるフレーズが出てくる一方で、実は優しさも持ち合わせているのがROCKBIKESの面白いところです。
「ROCKBIKESは、高級な自転車というわけではありません。このENVYなどは、税別87,000円(追記:2015/9/20現在の価格は税別105,000円)です。雨の日に乗る人もいれば、軒先に保管する人もいるでしょう。一般的には、この価格帯の自転車ではあまり品質の高くないボルトが各所に使われ、雨に濡れると水がたまって錆が生じます。錆が出てくると見栄えが悪くなり、オーナーの気持ちも下がってしまうもの。そこで、ボルト類は可能な限りステンレスボルトにしています」
もしみなさんの家の近くにROCKBIKESの販売店があり、ENVYの展示車に巡り会うことができたら、よく観察してみてください。消費税込みでも10万円を切る価格設定ながら、価格以上のクオリティがあることがわるはずです。西山さんも「同じ価格帯では他社に負けない」と胸を張ります。
次回以降、他のモデルにも目を向けてみたいと思います。
●ROCKBIKES ENVY
価格:105,000円(税別)
詳しい製品情報はオフィシャルサイト、そして取り扱い販売店で。
※追記:2017/8/18現在の価格は140,400円(税込)〜。初出時と変更になっています。
ROCKBIKES オフィシャルサイト http://rockbikes.jp/
大阪のショップ「K&M CYCLE」のブログでも、ENVYの詳細が紹介されています。
KandM CYCLE: rockbikes NEW ENVY 追加画像.
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須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。