9月1日、日本でラウンドアバウト(環状交差点)の運用が始まったというニュースがありました。環状交差点自体は以前からありましたが、日本では環状部に入る前に一時停止の義務があり、変則的なものとなっていましたが、2014年9月1日より進入時の一時停止義務がなくなりました(警察庁のリーフレットPDF)。あわせて新規に開通したラウンドアバウトもあるので、ニュースとして比較的大きく取り上げられたようです。
信号機のいらない円形の交差点「ラウンドアバウト(環状交差点)」が整備された日立市多賀町のJR常陸多賀駅前で1日、改正道路交通法の施行に伴い、県内で初めて運用が開始された。ラウンドアバウトは災害に強く、事故防止にもつながると期待されている。県警と同市などは同日、駅前でキャンペーンを行い、通行ルールの周知を図った。
引用元: 災害に強い円形交差点 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE).
改正道交法が1日施行され、円形の交差点「環状交差点」の新しい通行ルール運用が7都府県15カ所で始まった。信号機がなく、事故防止や渋滞緩和などの効果があるとされる。地元自治体や住民は「ルールが加わり、より安全な交差点になる」と歓迎している。
引用元: 環状交差点:信号なし、新ルールがスタート – 毎日新聞.
以前から環状交差点を設置していた長野県飯田市でも、新しい通行方法についての案内が行われていました。
平成26年9月1日(月曜日)から、道路交通法の改正に伴い、市内にある東和町と吾妻町のラウンドアバウト(環状交差点)では、進入時の一時停止規制がなくなり、徐行して通行できるようになりました。
今後、ラウンドアバウト(環状交差点)に設置された標識に沿った交通ルールが適用されます。
引用元: ラウンドアバウトに関する取り組みについて – 飯田市ホームページ.
さて、やはりラウンドアバウトが導入された、長野県須坂市。
安心、完全かつ効率的で環境にやさしい交差点制御である、野辺町ラウンドアバウトは平成26年9月1日に運用開始を致しました。
今後、安全安心で快適な交差点として道路利用者・市民の皆様にご利用いただくと共に、愛着を持って接していただき、また須坂市のランドマークとしての機能にも期待しております。
引用元: ラウンドアバウトの整備について.
整備前は……
こんな変則交差点。
そして整備後は……
こんなふうになりました。もともとが変則交差点だったこともあり、スッキリしましたね。そして、自転車の通行位置も車道の左側に青いラインで描かれています(警視庁でいうところの自転車ナビラインのようなやつです)。
このラウンドアバウトに、「須高ケーブルテレビ」がライブカメラを設置しています。
STVでは、9月1日に開通した須坂市野辺町のラウンドアバウト(環状交差点)にライブカメラを設置し、中継映像の配信を開始しました。
引用元: ラウンドアバウト LIVEカメラ | STV須高ケーブルテレビ株式会社.
今後ラウンドアバウトが日本でも増えていくのでしょうか。機会があれば、通ってみたいです。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。
あ、これあかんやつや。
ラウンダバウト内の端に自転車レーンを引くデザインは、自転車の事故率が、レーンも何も無いラウンダバウトと変わらないので、オランダでは避けるべきだとされています。
http://www.swov.nl/rapport/r-2004-14.pdf
p.3 (pdf p.5)
ラウンダバウトが安全と言われるのは、車同士が浅い(小さな)角度でしか衝突せず、被害が軽微で済むからですが、車対自転車では普通の交差点と同じくT字クラッシュになってしまうので、車のようには安全上の恩恵を受けられません。
日本でもオランダと同じ事故傾向になるかどうかは実際に運用してみないと分かりませんけどね。
ほー、オランダではそうなんですね。
自転車の逆走対策としては、意味があるかなとは思うのですが、どうなんでしょうね。
なるほど、逆走対策。その視点は忘れてました。
ただ、自転車の通行位置が環道部分の端だと、通行方向を守っていてもドライバーに見落とされてしまう事が有ります。いわゆるSMIDSY(Sorry mate I didn’t see you)ってやつです。
https://www.youtube.com/watch?v=pwT0YA2OXhU
オランダの場合はラウンダバウトの数メートル手前(車一台分の距離)に横断歩道と一緒に自転車道を配置し、ドライバーの注意力リソースを消費するタイミングを分散しています。
その場合も、ラウンダバウトを取り囲む自転車道をどのような線形にするかで事故率が変わってくるんですが、詳しくはこちらを。
http://www.aviewfromthecyclepath.com/2014/05/the-best-roundabout-design-for-cyclists.html