8月にロードレースから引退し、最後にアワーレコードにチャレンジした、イェンス・フォイクト(ドイツ)。オンドレイ・ソセンカ(チェコ)が持っていた49.700kmの記録を上回る、51.115kmをたたき出して、記録更新となりました。
1分30秒を残して、ソセンカの記録に並びました。
そして60分を走りきったフォイクト。
51.115km。
ちなみにアワーレコードは、エアロ効果を追求するあまり自転車の形状が変化しすぎた(ファニーバイク等)ことを理由に、2000年になって、1972年のエディ・メルクスの記録以降の、特殊な形状の自転車による記録については「過去にさかのぼって記録を非公認とする」ということが行われています。
特殊な形状の自転車での記録は、アワーレコードではなく「UCIベスト・ヒューマン・エフォート」というカテゴリーになりました。クリス・ボードマンが1996年に56.375kmという記録を出していています。もちろん、記録を出したときはアワーレコードだったのです。2000年になって「UCIベスト・ヒューマン・エフォート」というものにされてしまったわけです。ただ、その後ボードマンは再度アワーレコードに挑戦して更新に成功しているのがすごいのですが。
そして2014年になってまたルール変更があり、現代的なTTバイクの使用が認められるようになりました。
Hour record – Wikipedia, the free encyclopedia.
難しすぎる!
ちなみに下記のWebサイトで、ソセンカが挑戦したときの写真を見ることができます(一部リンク切れあり)。
The UCI Hour Record: Ondrej Sosenka.
今回フォイクトが使ったバイクとは、全然違いますね。
というわけで、アワーレコードってとても複雑な歴史なんだなぁと、改めて認識した次第です。
ところでカンチェラーラはどうした?
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。