※こちらの記事は2014年モデルについての内容です。
CyclingEXの記事の中で有数のアクセス数を記録しているジャンルが、ジャイアントのクロスバイク「ESCAPE(エスケープ)」各シリーズに関するもの。700CサイズでESCAPEと名の付く自転車は、ESCAPE AIR、ESCAPE R、ESCAPE RXがシリーズ展開されていますが「なんか見た目が似た自転車がたくさんるけど、どれがどう違うの?」というのは、ここ数年の間、クロスバイクが欲しいと思っている方たちにとって「定番」の疑問のようです。
実際、どういう作り分けがなされているのか。以前も記事にしましたが、実はジャイアントのWebサイトに比較・解説コンテンツがあります。ESCAPE RXシリーズを紹介するスペシャルサイトの中に、比較・解説があるのです。
2014 Giant Bicycle [ ESCAPE RX ].
乱暴に言えば、どれも「700×28Cというタイヤを履いた、快速系クロスバイク」です。「予算に合致してかっこいいと思うカタチ・カラーのを買えばいいんじゃない?」と言うこともできます。一方で、それぞれの違いは結構あるとも言えます。それをどうこういうのは無粋だと言う意見もあります。以下ループ。
が!実際に乗るとやっぱり違うものです。
まずESCAPE R 3。700C×28C(太さが28mm)という、クロスバイクと呼ばれるジャンルの中では細めのタイヤ、ハンドルが近めかつ高めでリラックスした乗車威勢、快適性を考慮したサドルやグリップ等で、スポーツサイクルビギナーでも手軽に快走感が味わえるベーシックな存在が、ESCAPE R 3です。
そしてESCAPE Ri5。内装変速と言って、後の変速機が露出していない変速機を採用しています。変速のときにギアがガチャガチャ言わず、チェーンが落ちたりするリスクも無く、そして停止時にもギアを変えられる等のメリットがあります。ただ、ESCAPE R 3がフロント3段×リア8段の変速なのに対して、Ri5はリア5段変速だけ。あまり急な坂道には対応しません。ESCAPE R3を、よりシティライド向けにアレンジしたのが、ESCAPE Ri5です。
次にESCAPE AIR。これは、ESCAPE R 3をベースに、より軽量化したモデル。上り坂での走りが軽い軽い。ヒラヒラとした軽快感のある走り、見た目は安っぽいけど(失礼)なにげに快適性の高いサドルやグリップ、後述するESCAPE RXシリーズよりはしっとりめの乗り心地が特徴です。ただ、700×28Cのタイヤを履いたクロスバイクは、それだけでもっとタイヤの太い他社のクロスバイクよりは乗り心地が固くなります。ESCAPE AIR LTDは、パーツをより軽量化した上位バージョンです。
最後に、ESCAPE RXシリーズ。RXは、ESCAPE Rシリーズの基本設計を受け継ぎながら、よりスポーツ性能を高めたモデルです。まず、フレームやフロントフォークはかなりしっかりした作りになっています。それでいて、重たくはなっていません。パーツも、ESCAPE R3やAIRよりも良い物が付いていて、漕いでみても、ブレーキをかけてみても、全体的にしっかり、かっちりしたフィーリングです。乗り心地自体は結構固いのですが、グリップやサドルの快適性はなかなかのものです。
そんなRXシリーズの中でも、RX 0とRX 1は入門クラスのロードバイクに匹敵するスポーツモデル、RX 2とRX3がスタンダードなモデル。RX 4はパーツのグレードを落とした廉価モデルですが、後々どうせパーツを買い替えるなら、RX 4もアリですね。
もちろん、どれも大きな分類では「スピード系のクロスバイク」に入ります。
ジャイアントのサイト上にある比較コーナーのリンクをもう一度紹介するとともに、関連記事/サイトへのリンクも貼りますので、何かの参考になれば幸いです。
2014 Giant Bicycle [ ESCAPE RX ].
関連記事:2014年版・初心者のためのクロスバイクの見分け方・選び方 | CyclingEX.
関連カテゴリ:ふたつのESCAPE | CyclingEX.
関連サイト:ジャイアントのクロスバイク「エスケープ」シリーズを楽しむ人のためのWebサイト ESCAPE USERS | エスケープユーザーズ.
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。