京急川崎駅付近から、JRの線路をくぐって幸町交差点までの、府中街道に設けられた一方通行の自転車道を見てきました。都合上、今回は徒歩で歩道から観察したのみです。
まず、京急川崎駅入口交差点方面から幸町方面へと向かう道路。車道も一方通行になっています。そしてJRのガードに向かう下りこう配の入口から、自転車道が始まります。
ぱっと見た感じ、自転車はみな自転車道に入っていきます。また、坂を上がってくる=逆走してくる自転車もいません。
入口には下写真のような標識があります。
一方通行の自転車道です。
「速度落とせ」の表示。
歩道側にはこのように、
歩道上は降りて押すように……という注意書きがあります。
ガードをくぐると……
自動車側に左折レーンが登場するため、自転車道の幅員が削られています。
そして上がりきったところに、幸町交差点があります。
自転車道はここまで。停止線は自動車側とほぼ同じ位置に有ります。ここから右に行きたい場合、この写真に写っている横断歩道には自転車横断帯があるため、ここで横断歩道の信号が変わるのを待とうとする自転車もいます。すると後ろは詰まります。渡りきって二段階右折したほうが、全体の流れとしてはスムーズです。
さて、逆方向へ。幸町交差点側の自転車道入口は下写真のようになっています。
ガード下です。
一段高くなっている歩道から自転車道を見ます。この付近の道路の構造もよくわかりますね。府中街道の上下線がY字に分かれているのです。
しかし、逆走している人がいますね。幸町→京急川崎駅前交差点のほうが、逆走自転車が多いように思います(というか、京急川崎駅入口→幸町は、自分が行き来した限りは逆走ゼロ)。
坂を上がったところに路地との合流がありますが、自転車道の逆方向には進入禁止の文字が。ちなみにこちら側の歩道には階段があるので、自転車は押し歩きも含めて、いません。
京急川崎駅もすぐそこ。
さて、京急川崎駅前交差点(京急川崎駅入口とは別の位置です、後で貼る地図を参照)のちょっと手前で、自転車道は終わります。
まっすぐ行くと歩道です。この自転車道は車道を1車線つぶして作っています。その延長線上に歩道。つまり、この歩道も右半分は車道をつぶしたスペースです。まっすぐ歩道へ行く場合は、自転車は降りて押してください……ということになっています。分離構造物に切れ目があり、車道を選択することも可能です。
でもまぁ、
こうなりますわな。
また、工事が行われていて歩道が狭くなっているので、自転車道を歩行者が歩いていることも。
地図を貼りますね。
この地図で見たとき逆Y字の右側のほうが、逆走が多いです。なぜか。それは、ヨドバシカメラのアウトレットがある方向に自転車で行きたいとき、また、ヨドバシカメラのアウトレットのほうから来て、幸町交差点に行きたい場合、どこをどう通れば良いのかわからないから……ではないでしょうか。歩道を通行するとか、自転車道を逆走するしか思いつかない人がいても、不思議ではない感じにはなっています。
もともと車道が一方通行なのですから、自転車道ができる前もカオスだったでしょうね。
もちろん、ちゃんと迂回している自転車の人もたくさんいるのですけどね。
駅前本町方面から路地を抜けて律儀に迂回し、幸町方面への自転車道に進入せんとするお父さん。
この自転車道には十分意義がありますし、とくに京急川崎駅入口→幸町方面において歩道を爆走する自転車もいなければ、車道を自転車道が構造的に分離され、自転車がちゃんと自転車道を走っているというのは素晴らしいことではないかと思います。一方、京急川崎駅の真ん前、そして京急川崎駅前から「駅前本町」のエリアに自転車で行く場合の通行方法をデザインしないと、根本解決ではないかなと思いました。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。