CyclingEXにおいて、通常の記事としてもタイアップ記事としても何度か登場した、ブリヂストンサイクルの小径車「CHeRO(クエロ)」の20インチモデル。先日、この自転車で外苑前から小田急線の鶴川駅まで自走する機会がありました。
クロモリフレームで20インチホイールの小径車です。実際に30km走ってみて改めて実感したのは、出ているスピードはそこそこなのですが、漕ぎ出しも軽いしスピードに乗せていく爽快感もあって、とても気持ちがよいこと。実際に出ているスピードは、平坦路で時速20kmをちょっと上回る程度で、ロードバイクと比べれば「ゆっくり」と表現しても良いスピードですが、シティサイクルがだいたい時速15km程度で走っていることを考えれば、十分にスポーツ車の性能と言えるでしょう。
外苑前から西へ西へと走って、目的地である鶴川駅に到着したときには、2時間とちょっとが過ぎていました。途中、自販機でお茶を買って飲んだりして、このペース。電車に乗れば1時間くらいですから、倍の時間がかかったことになります。止まっている時間も含めた平均スピードは、時速15kmといったところ。まぁ、こんなものでしょう。
しかし、電車と大きな差がつくのは、小田急線の急行や快速急行に乗ると、郊外に行けば行くほど(どんどん通過したり、そもそも駅間距離が長かったりして)電車の速達性が発揮されるから。平均時速15kmの計算が立つのなら、10km程度の移動は自転車にアドバンテージがあると言えるでしょう。だって所要時間は遜色が無いし、移動自体がとっても爽快なのですから。
例えば、外苑前から出発し、目的地が世田谷区役所のあたりだったら。
電車なら、銀座線〜半蔵門線〜東急田園都市線〜東急世田谷線と乗り継いで、35分ほどかかる計算になります。自転車だと、距離はだいたい7kmちょい。止まっている時間も含めて平均時速15kmで走ることができれば、電車と互角なんです。
時速20kmちょいという巡航スピードは、CHeROのような5万円クラスの小径車、フォールディングバイク、クロスバイクなどの自転車に乗っていれば、多少の慣れは必要かもしれませんが、「シャカリキになって飛ばす」といった感覚もなく到達できるものだと思います。
かつて乗っていたダホン・ヘリオスP8も、そういう速度域が維持しやすい自転車でした。
そして、電動アシスト自転車の巡航スピードとしても現実的な領域です。
自転車は、乗れば爽快です。ただ、それだけ言っていると「趣味でしょ?」と言われてしまいます。周囲から趣味だと認識されると、通行環境が云々という話もできなくなってしまうのです。だから、爽快だ、気持ちいい、楽しい……といったことに加えて、「しかもパーソナルな交通機関としてもちゃんと機能する!」という点は、もっとアピールしてよいはずです。
楽しいけど、実用的!
実用的なのに、楽しい!
この2つをグルグルと回していきたいと、改めて思いました。
※過去の似たような記事としては、こちらがあります。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。